床に仕込んだ演出照明の効果
アパレルショップを含むファッション店において、ファサードに設けられたショーウィンドは店舗の顔と言えまるでしょう。
そして、単に商品をディスプレーするだけでなく、シーズンテーマやシーンごとに様々な演出が施されていることはとても理想的だと感じます。
これらの演出物には、小物などのいろんな備品のほかに照明効果も非常に重要な役割を担うことがあります。今回の作図事例では、そんなショーウィンドに演出用の照明を床に仕込んだ作図事例となります。
以下の写真にある施工事例は代表的な事例です。違い合っても、ほぼこの手法で収めることになります。ですから、是非覚えてほしい内容だと感じますので、しっかり理解してください。以下は、今回と類似した事例です。
それでは、作図解説へお進みください!
■サイズ | ■仕様 |
W2000×D850×H2550 図面参照 | 格子パーティション:16×40 SUS HL角パイプ ステージ天板:強化ガラス t=8mm 裏面より飛散防止フィルム貼り+乳半アクリ t=5mm +透明アクリ t=5mm |
■備考 | |
難易度:上級編/★★★★☆ |
作図解説
それでは、説明に入る前に図面枚数は、トップも含め3枚で仕上げましたが、全てを描くとしたら5枚はくだらないでしょう。なにせ、ウインドウのガタイが大きのと、各納めが多いからです。
今回は、ステージが主体なのでそこに的を絞って説明します。ですから、ショーウインド自体の造りなどは、ザックリいきますので、ご容赦を!
上の作図は、平断面図Bですが、ステージトップが見て取れます。ウインドガラスの下部ハカマの内部に角材を取り付けて、天板をのせる方法が基本となっています。
しかし、ディスプレーの入れ替時などには、スタッフがステージ上での作業が不可欠です。これは、ちょっと問題です。四方の角材だけでは天板の荷重に耐えきれない恐れがあると判断!
作図ポイントとして!
そこで考えたのが、400mm×400mmのスチールプレート上に直径22.2mmの丸パイプを4本溶接した指示金物を床に設置して補強しました。
天板には8mmの強化ガラスと、照明の写り込みを防ぐための透明アクリルと乳半アクリルを重ねた3重構造にしています。
床に設置したLED照明器具をメンテするために、格子状パーティション側のハカマにピアノヒンジを用いて開閉できるようにしました。
ただ、一部がストックの壁に干渉するので、このメンテナンス扉部分を切り欠く必要があります。
先ほどの納めについては、上下の画像で理解して下さい。上は断面図、下も断面図ですが切り口が違うので、その辺りをしっかり読み取るようにしてください。
実際に厄介な作図でもあり、現場も大変だったと聞きます。
ショーウィンドのスクリーンは、上部のSUS製の枠と下部、ステージに見付けも溝を彫り込んだ部分にケンドン式にて固定しています。
コーナーやステージ右の壁面との接点には、透明色コーキング材での固定。向かって右側のファサード壁面が石貼り仕上げなので、SUSのL型見切り材を取り付けました。以下参照願ます。
続いて、ショーウィンドの背面について!
まず、両サイドと上部に一部にスチール角パイプの縦格子組みでゲート風を演出。その内部は全面をクローズにするのではなく、床から1450mmあたりまでスチール角パイプでグリッドを組み入れています。
そして、装飾ガラスとフロートガラス(一般的な透明色のガラスをさします)を重ね合わせて不透明仕様としています。以下参照してください。
2枚重ねにしたガラスの納め方は、一般的なガラスの納め方なので、しっかり覚えておいてください。また、上部には、演出用備品や雑貨小物をディスプレーするためにガラス棚を設置しました。
ガラス受けには、16mm×16mmの角パイプをコの時型に組み、ガラス用の特殊なビスを4本使用して固定しています。尚、今回使用した装飾ガラスの情報を下記に添付しておりますので、参照下さい。
まとめ
今回の作図事例は、ちょっと厄介だったかもしれません。私も説明に苦労しました。このような、実施図面となると、一存ではかけません。そのため私は、専門業者の友人によく相談します。
そこは、「餅屋は餅屋!」って言いますから、素直に聞きます。そして、聞いたことを元に作図を進めますので、間違った作図を描くことはまずありません。
最後に、今回のショーウィンドでは別注の金物を用いて、ステージ天板を補強していますが、この他にもいろいろな補強の取り方があります。
スーテジサイズやメンテナンス方法を十分考慮して、最も安全でデザインにマッチした補強方を選ぶようにしてください。以上!
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