個性的なデザインなので汎用性はなし!

今回、ご紹介するのはちょっと慣れないフォルムのショーウインドです。
かなりの個性的なので、汎用性はなく一般のアパレルでは厳しい感じがします。

ただ、このウインドウは全てがガラス使用となっているので、作図的にはかなり厄介です。
しかし、このタイプの納めに自信がない方はきっと勉強になります。

なので、デザインは別として、単にガラス使いの納めを覚えたい方には、お勧めなな図面と判断し真下。是非ご自分の経験値を上げてください。

内容は、かなり詳しく描いた図面なので、読み込みには多少時間はかかるでしょう。
読み込みスタート!!

■サイズ■仕様
W1200×D900×H2200
図面参照
フレーム:□35mm  SUS ビーズブラスト仕上
スクリーン:t=8mm  曲げクリアガラス
上下枠:黒檀材(柾目-横)染色 クリアウレタン仕上
底目地底部: SUS P.L.ピンクブロンズ仕上貼par
■備考■難易度:中級編

作図解説

間口の狭いアパレル店舗の場合、ファサードを極力広く見せる工夫が必要となります。

そのため、どうしても造作壁とガラススクリーンで構成した固定型のショーウィンドウを設置することが難しくなります。

しかし、このような状況でも店頭にはアイキャッチャーとなり得るディスプレイスペースが不可欠です。

そこで、設置場所を問わないタワー型のショーウィンドとなったようです。

楕円形のフォルムは、直線的なものと比べると角がないためファサードの遮蔽感を軽減してくれる効果が期待できます。

また、ガラスが占める面積も抑えたことでよりオープンなショーウィンドとなっています。
しかも、内部には特注のブラケット照明を取り付けているので、存在感も強調できます。

作図ポイント

ここからが本題ですが、構造的にはとてもシンプルです。

以下、断面図を見ていただくとわかるように、ステージと天蓋には同心円で曲げ加工35mm×35mmの角パイプフレームを取り付けています。

ここで注意事項ですが、ガラス面の左右は、マネキンの出入りをスムースにするためオープンとなっています。

尚、スチールパイプフレームはビーズブラストという仕上げにしています。

このビーズブラストという仕上げ方法は、簡単にいうと、ガラスビーズを表面に高圧のエアーで吹き付けて研磨する方法です。

ちょうどすりガラスのような表面になる加工方法です。
わかりにくいかもしれませんが、参考写真を添付しておきます。

参考写真画像引用元:https://www.mako-products.jp/archives/125

それでは続きですが、ガラスの納めは一般的な手法です。9mm×9mmの角パイプで押さえ、ビスで固定しています。

余談ですが、ステージと天蓋には底目地を設けて、ピンクブロンズ仕上げのプレートをアクセントとして貼り付けています。

このショーウィンドを作図する上で最も難しいところは、支柱の位置をバランス良く配置する点にあります。

遮蔽感をなるべく出さず、かつ安定性も考慮しながら最適な位置に、支柱を取り付けることが重要です。

この事例では、ガラスサイズのパターンをいくつか作成して、一番バランスの良いと思われる750mm(直線的な幅)に決定しました。

まとめ

今回の事例は、如何でしたか>?

内装図面で、皆さんが懸念される什器や造作には、ガラスが絡みます。

ですから、今回の断面詳細図のガラス押さえの方法はしっかり覚えておいてください。

尚、図面も問題なく描けてますし、細かいところまでわかりやすく描かれているのも良いです。

これらの納めは、通常のガラスウインドやガラススクリーンの納めと共通することが多く、ある意味、この事例を理解すれば、問題なく描けると思います。

特に注意としては、上下の35×35角パイプ上での寸法は特に覚えて欲しい寸法です。

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