宝飾品や時計などの服飾雑貨を扱う店舗絵では、そのほとんどが、ショーケースでの展示となります。

売り場中央の什器はもちろんのこと、壁面にも高さを活かしたショーケースを取り付けることがあります。

今回は、そんな壁面を活かした理想的な作図事例をご紹介したいと思います。

私的には今回の作図事例は、売り場効率も考えられていて、まさに『鉄板』!恐らく、どちらの店舗もこの形式が理想と考えます。

ただ、カジュアルっぽいアクセサリーを販売する店舗では、ちょっと厳しいとも思えますが、今回の事例を元にアレンジすれば、かなり良い売り場になるのでは!って考えます。

■サイズ■仕様
W1541×D561×H2700
図面参照
家具:木工化粧板仕上げ(木目風)
引き違い扉:SUSハカマ+t=8クリアガラス+飛散防止フィルム貼
下部抽斗枠:SUS 鏡面仕上げ
ケース前板:t=6ガラスFIX+飛散防止フィルム貼
■備考
難易度:上級編/★★☆

作図解説

さて、図面は上部の図面2枚構成で仕上げました。今回の図面は完璧に仕上っているので、是非自分のモノと覚えてほしいものです。

それではすすめますが、壁面上部にはガラスの引き戸式のショーケース、そして下部には従来型のショーケースを1セットとします。

上部のショーケースは、床から2200mmまでを陳列高さと設定し、ここから上は店舗環境に準じた仕上げとなっています。この境界線にあたるところには、見切りとして底目地加工を用いました。

内部には側板に埋め込んだシングルスリットとダボを使ってガラスの可動棚を取り付けています。しかし、棚ガラスのワイドが1500mmに近いので、背板の中央にスリットを埋め込みブラケット受けで補強しました。

尚、上部ケース取り付け方法については、天井からボルト吊りでの固定と、壁面へのビス固定となっといます。

ただ、天井からのボルトは左右の側板を貫通させて、底面にて2個のナットでの固定です。(以下 b部詳細図を参照下さい)断面図としては、c,d,e部詳細図から読み取れます。

ガラス引き戸は、8mm厚のガラスに飛散防止フィルムを貼り、ステンレスハカマと戸車で可動させるようにしました。

これは、850mmの高さと8mm厚のガラスの重量を考慮して、スムーズに可動するには戸車タイプが最も適していると考えた選択です。(以下のc,d,e部詳細図を参照下さい)

通常、引き違いの鍵は一つで問題ないのですが、セキュリティ上の問題で、鍵の形状が異なるものを2個取り付けるようにしました。

変わって、下部のショーケースについてですが、引き戸タイプのケースと高さが150mmしか離れていないので、ショーケースケース奥までをお客様が見えるのかどうかが、懸念されていました。

しかし、実際に目線の高さが、床から1600mmの目線で点景を断面図に追加し、ケースから100mm離れた位置で検証した結果、奥まで十分に見えることがわかりました。

このように、ケース上部に什器がある場合には、ちゃんとケースの奥までを見ることができるかの検証は必ず行って下さい。

万が一、上部の什器によって、視線が妨げられる場合は、什器間の150mmを調整するか、それぞの什器サイズを調整することで解消されます。

ケースの前板にはステンレス枠と6mm厚のガラスを押さえ縁にて取り付けてありますが、今回はつまみなどを取り付けていません。ハカマに取り付けたシリンダー錠がつまみの代わりとなっています。

最後に、このショーケース用照明についてですが、一般的には、スタンドライトや前板のフレームにカバーをつけて照明を設置するのです。しかし、今回は上部の什器の底面に取り付けたLED照明でまかなっています。

これは、ケース同士が近いことで可能となった方法です。仮に、予算的に問題がなければ、天板のガラスを反射の少ない高透過ガラスにすることで、内部をより良く見せるこが出来ます。

作図ポイントは各詳細図の納め方!

以下、断面図の拡大版を貼っておきましたが、この大きさだとかなり理解できると思われます。多くの作図ポイントがありますので、時間をかけて読み取るようにしてください。

かなり気を配って、欠いて貰ったので落ちはないと感じます。

上部ケースの引き戸の納め、下部ショーケースの納めが今回に最大のポイントとなります。また、このスタイルの壁面什器は、カタチは変われど、機能はほぼこの納めが順当でしょう。

後は、アレンジすることで違ったムードの壁面什器となるでしょう。そして、寸舗変更すれば中に入れる商品の幅も広がります。

尚、事例で使ったハカマに取り付けたシリンダー錠のサンプルを付けておきましたので、こちらも参考にしてください。

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