インパクトのカラーが冴えるドア

物件名:ポールポキューズ大丸東京店_2007.06
■サイズ■仕様

W806.4×D110×H2188
図面参照
枠:t=3.2mmスチール平板焼き付け仕上げ(白)
建具:木工化粧板仕上げ
■備考
2019.11.27更新

作図解説

今回は、インパクトのカラーが冴える引き戸についてお話しします。本来、厨房への出入り口には、水であったり、湿気などが溜まりやすいこともあって、木製建具を使用することはめったにありません。

その主な理由は、前述の諸条件で建具(特に内部)が、そったり、腐食してしまうからです。また、厨房エリでは火を使用することから法規的にも不燃仕様とされます。

ですから、木製建具で認めらる事は、希には有りますが、難しいことです。

しかし、簡易的な厨房設備で水の使用頻度が低く、コンロやフライヤーなどの火を使う厨房機器を配置しない場合は、木製建具でも法規的にもクリアする場合があります。

ただ、不燃仕様とそうでないものとでは、建具自体の仕様や納めも変わってくるので、作図する前に調整しておいた方が良いでしょう。

今回の事例では、ベーカリーショップの店側と厨房との出入り口で、百貨店出店ということもあって、やや厳しい法規的条件をクリアした作図事例です。

作図ポイントと納め

それでは、作図上でおポイントと納めなどを進めます。引き戸本体は、従来の木工建具と同様の構造であり、化粧板仕上げになっています。

まず、いつものように平面詳細図と断面詳細図を順を追って説明していきましょう。まず、下記の作図をご覧下さい

ここでは、開口枠の納まりと建具移動に際して大切なガイドの取付けを確認してください。建具は木工化粧板仕上げですが、開口枠はスチールメラミン焼き付けで仕上げています。

作図ポイントは、吊りレールと床ガイドレールの取り合い、そしてガラリ取り付けです。

床に取り付けたガイドは、基本的に枠のすぐ後ろ当たりに設置し、引き戸の底面に掘った溝がこのガイドに沿ってスライドするようになります。


引き戸をまっすぐスライドできるように、触れ止めが主な役割なので、このガイドに引き戸の重量がかかることはありません。平面詳細図をもう一度確認して自分のモノとしてください。

続いて、引き戸上部のガラリと吊りレールを取り付けている箇所の詳細について進めます。以下、断面詳細図を確認してください。

ガラリについては、特に難しい点はなく、スチールフレームとフラットバーを溶接処理したもので、天井と左右の壁の3箇所にビス止めで固定しています。(トップ画像参照)

引き戸の枠と吊りレールとは、厚みのあるLアングルで固定しています。そして、建具と枠との隙間を確保する為に枠とアングル間に角パイプを挟み込んでいます。

この隙間は、吊りレールを扱う建材メーカーのカタログでも記載されたいますが、約4〜6mm程度を設けておけば問題ないでしょう。

この隙間は建具と枠とが接触する事を回避する為に設けています。吊りレールを扱う建材メーカーも、大凡4mm〜6mm程度の隙間を空けるように説明しています。一度メーカーのホームページでも確認してみて下さい。

尚、今回使用した吊りレールの情報を下記に添付しておきますので、参考にして下さい。

スガツネ ポルタM60

まとめとして

スライドレールの機能も日々進化していて、開閉するために大きな力を必要とせず、緩やかに閉じてくれるものもあります。

その機能を持った吊りレールでこの作図事例を作成したので、戸先にはクッション材を取り付けていません。しかし、どんな引き戸の場合でも万が一のことを考えて、クッション材を取り付ける事をおすすめします。

この建具を使用した店舗事例は、こちらでご覧になれます。

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