ベーカリーフロントテーブル

ポールポキューズ 大丸東京店 2007.06
■サイズ■仕様
W700×D700×H850 本体:化粧板仕上げ+木工染色仕上げ
■備考
2020.05.16更新 

作図説明

数々のデパ地下に出店しているベーカーリーショップの実施設計で、基本図から各造作部詳細図、什器図を作図しました。

その中から、意匠的にも機能的にも参考になると感じたのでこの陳列什器をご紹介します。デザインや機能面については、現在でも通用する什器でありとても汎用性のあるものです。

デザインについては、ランダムサイズのリブ材に合わせて、引き出しや扉を設けている点に注目してください。機能面としては、焼きたての食パンの温度調整のためテーブルトップの一部を簀の子にしていますが、これはちょっとしたアイデアです。

焼きたてはとても美味しくて良いのですが、お持ち帰りの時に焼きたてだと「熱い!」と過去にクレームがあったそうです。(店主)


ですから、温度を適度に下げるため、このような構造が求められたと言うことです。特に食パンの場合は、ほとんどの棚には簀の子状のものを設置します。

まず、抽斗に使用するスライドレールのミニマムサイズを把握する事です。スライドレールにも横引きと底引きと2種類のタイプがあるので注意。主に抽斗やスライド式トレーなどには横引きが多く使われてますが、抽斗のサイズや重さにそよって決めます。

この事例のようにランダムなリブが什器全体の共通意匠となっている場合には、抽斗側面にスライドレールを取り付けるのに十分なサイズがあるかどうかも考えます。意匠先行でサイズを決めてしまうと、後で機能面(抽斗などのサイズ)に障害が起こるので注意してください。

ストック扉とリブ材とのクリアランスは、抽斗下部にある扉にもリブ材が取り付けてあるのですが、開閉する時に腰部のリブ材に干渉しない程度のクリアランスが必要です。スライドヒンジの開閉軌道をカタログなどで確認しつつ、適正なクリアランスを設けてください。

上記の抽斗とストック扉の注意点については、それぞれの平断面図を作図する事でより理解しやすくなり、作図上見えていなかった箇所も明確になると思います。

後記

この頃は、百貨店の改装が多くあったように記憶します。スタッフが持ち帰った作図依頼でしたが、私は当時大型商業施設でてんてこ舞いでした。この物件はのスタイルは、今でも変化は在りませんが、人気ベーカリーショップとして活躍しているようです。

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