■サイズ | ■仕様 |
W2800×D600×H3600 図面参照 | 壁面:LGS+PB下地AEP塗装仕上げ ミラー部:LGS+PB下地t=5mmクリアミラー貼り 上部ボーダー:スチール角パイプニッケルサテン仕上げ |
■備考 | |
2019.11.27更新 |
作図説明
この店舗環境図には、ふたつの要素があります。それはVMDを意識したシステム壁とちょっと風変わりな壁面ボーダーです。
壁面から説明しますと、普通のシステム壁はほとんどがスリット(システム)ですが、このお店、ひょっとしたら高級店? なのか、ロイヤルベルラという割高のシステムを使用しています。
気になると言えば、壁面の起伏(アンジュレーション)ですね。間接照明を使っての演出はいいのですが、何らかの考えもって壁面をフラットにしなかったのかが残念です。
しかし、やはりスリットよりもベルラの方が、上品に見えて高級感を助長させます。
それでは、ベルラの良さをお伝えしましょう。
スリットの場合はどうしても壁面にライン(線状)が見えてしまうのに対し、ベルラはポイント(点)で見えるのでパーツを外した状態でも、「システムが入ってる」というのが、目立ちません。このシステムの良さだと感じます。
しかし、機能面はスリットと大差はなく、パーツの組み合わせでる程度のバリエーションは得られます。
そんな壁面の上部には、スチール角パイプで構成した個性的なボーダーが取り付けられています。私的にはちょっとバランスが良くないと感じるのですが、如何ですか? (以下参照してください)
この物件、内のスタッフが担当していたので、私は何ともいえませんが、このグリッドのようなものはいったい何なんでしょう。デザインにしては貧弱さを感じます。
まあそんなことはどうでもいいことですが、ただこの横ボーダーと下部の壁面をお見ていると気になるところが見えます。(トップ画像の断面図参照)
天井まで高さの無い壁面に、横ボーダー(吊り式)を取り付けているようにも見えますが、不安感は確かにありますね!
ただ、壁自体の強度はあるので、吊り式ボーダーのひずみ防止のために取り付けたのだろうって感じです。想像ですが、きっと現場サイドで何らかの方法をとって処理したと思いたいです。
次に、平面詳細図に進みますが、前述したことがここではよく分かると思います。というのも、そもそも壁面にこのようなアンジュレーションをつけるのは良くないです。壁面は原則フラットで処理したいです。
仮にこの状態で竣工するなら、間接照明の入った壁面にはせめてディスプレーだけにとどまって欲しいと感じます。ここは、図面の描き間違いとしましょう。
なんやかんや文句を付けていますが、これは私が経験した事実であって、プラン自体を修正すべきだと思います。
最後に壁面ボーダーの縦断面詳細図を添付して終了としましょう。
最下段のみ正方形の角パイプにして造作壁とはLアングルで固定しています。この手法でも間違いではありませんが、より強度を高める為には、ボーダーの補強パイプのサイズを大きくして造作壁との設置面積を大きく取る方がより安心です。
この図面事例は、それほどよくありませんが、ひとつ引き出しが増えた程度で覚えておいてください。
後記
いろいろと書いてきましたが、今回の事例はそれほど参照にはならないでしょう。なにしろ15年以上の物件で、うちのスタッフの実力もそこそこでしたし、指導する私も、毎日のようにクライアントへのプレゼンでしたから。ただ、全体バランスの悪い事例ですが、部分的には良い資料などもあります。
ですから、今後のみなさんの「肥やし」として活用ください。ありがとうございました。管理人でした。
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