■サイズ■仕様
W806.4×D110×H2188
図面参照
枠:t=3.2mmスチール平板焼き付け仕上げ(白)
建具:木工化粧板仕上げ
■備考
2019.11.27更新

背景

普段、私たちが使っている身近な家具や雑貨などをオシャレなフォルムや多彩な色合いによって展開し、人気を集めた当時はブーマーだった雑貨店の実施設計の資料です。

設計期間は、約2週間程度で熟せました。参考店舗のデータあったので、打ち合わせの回数も少なく、スムースに進んだとはいえ、参考資料がかなりお粗末だったのが残念でした。

作図説明

この作図事例は、柱巻き造作の詳細図ですが、機能面はそれほど参考にならないので、タイル貼りの話を含め進めます。

平面図
立面図

さて店舗ファサードのセンターに位置した柱巻きなので、最も目を引く場所となっていました。そのため、この柱前をディスプレースペースとして活用しています。

ファサードの壁面(柱巻き)ということもあってアイキャッチャー効果を高めるために、店舗内の壁面との差別化でこの柱巻きはタイル貼りにしています。また、ワイド3000mm以上もある大きな面を活かし、棚やフックなどを取り付けるために壁面には、ラインシステムを採用しています。

このラインシステムの特徴は、横長の細い溝にパーツを差し込む仕組みで、棚などのパーツを自由に取り付けられるところにあります。参考までに今回の事例で仕様したシステム壁とタイルの実例写真と情報を下記に添付しておきます。

尚、タイルについてもお知らせしておきます。

今回は、このタイル貼り壁面とラインシステムに着目してご説明していきます。以下は、タイル貼りの壁面断面図ですが、見にくいので、その下にさらの大きくしました。

まずはタイル貼りについてですが、タイルメーカーによって指定がある場合を除いて、タイルの貼りしろを設計上では、2mm〜3mmとるようにしています。

下地材については、水周りの壁に適した 6mm〜8mm厚のケイカル板を使用することが多いですが、今回は物販店での使用なのでプラスターボード(以下PB)下地にしました。

このタイルの貼りしろ(2mm〜3mm)と一般的な下地材であるケイカル板に関しては、タイル貼りの図面を作図する上でとても有効なので、覚えておくと便利です。

正面の壁一面のみにタイルを貼っているので、両端には見切り材が必要となります。そのため、スチールのLアングルを床から天井までの間に取り付けて、壁の小口に貼ったクロスとの見切り材にしています。石貼りやタイル貼りではこの見切り方が最も一般的です。

続いて、ラインシステムについてです。

スリット柱を使ったシステム壁面に比べて意匠性が高く、何より見た目がスリット柱より目立ちにくい細い横溝を使用しているところがこのラインシステムの特徴です。

この細い溝を今回の事例ではタイルの芯に合わせて、約153mmのピッチで取り付けてあります。

展開図をご覧いただくとわかるように、見た目にもそれほど気にならないくらい、壁面のタイルと同化していることがわかります。

収めのポイントはタイルを貼る前に専用の溝金物を取り付けるわけですから、金物間の約140mmの部分の下地材がネックになってきます。そこで、PBを2重貼りにするには施工的に難しいと判断し、不燃合板材を使いました。

最後に、今回の作図事例で使用した壁面システムは、一般的なスリット柱を取り付ける工法より手間がかかるため、コスト的にも割高になりますのでご注意ください。ただ、仕上がりはグッドです。

お願い致します!
↓ ↓ ↓
にほんブログ村 デザインブログへ