■サイズ■仕様
W4292×D1713×H2000
図面参照
本体:上段_FGボード下地AEP塗装仕上げ、下段_木工化粧板仕上げ
ディスプレイ用支柱:φ25スチール丸パイプ焼き付け仕上げ 、引っ掛けバー_3×30スチールFBリベット止め 
■備考
2019.11.27更新

作図説明

この作図事例は、壁面設置の円形型造作什器の作図です。造作什器と言ってもそのほとんど(骨組みだけ)が、工場での作業となり、搬入後の現場組み立てとなります。

ただ、大変大きな什器なので、施設への搬入のために、什器分割が発生しますが、これが、実施設計者には、厄介な作業となります。

通常では、一個の什器をどう分割するかを考え、分割した状態で搬入して、現場で設置するのが常套手段です。

もちろん、ジョイント部での面合わせが、旨く納められるように描かなければなりませんし、そのジョイントどう処理するかも同様です。

と言うのも、分割方法の善し悪しで、現場の作業量もかなり変わってきます。ただ、木工什器なので、現場調整である程度は、納まります。

気がかりなのは、形状が円形ということもあって、逃げ寸法やジョイント部分の処理には、時間が掛かると感じます。

それでは、作図説明に進みましょう。

この事例での分割ラインは、丁度ラインコンセントが埋め込まれる部分にしているので、少々のズレなどはカバーできます。問題は造作のアール壁の方で、通常使用するプラスターボードは、曲げ加工が出来ないので、特殊なFGボードという曲げ加工可能なプラスターボードを使用しました。

また、ケイカル板、曲げベニヤといった材料も考えられるので、最終仕上げ方法にマッチした下地材を選ぶことが望ましいですね。FGボードは、コストアップに繋がりますので、ご注意を!

分割方法については、ご理解になれましたか?前述した内容は、主に什器の下部だけで考えています。上部の什器は、一個で製作出来る大きさなので、最終的に、現場調整で仕上がります。

次は、大切な詳細図へ進みます。以下の作図をご覧下さい。これは、この什器の断面詳細図を描いています。

これを見れば、この什器全体が理解出来ます。上から商品ディスプレイ、下部については、商品ボリュームを展開するスペースです。棚板には照明が入ります。上部と下部で、商品の見せ方を変えることで、変化を付けています。

尚、断面詳細図の上のフックスケッチが有りますが、これは什器上段でディスプレイ

最後に、作図上のポイントを伝えておきます。それは、前述した上部のディスプレイの部分です。

ディスプレイフックを引っかけるために、丸パイプの支柱を連立させ、横流しでフラットバー(FB)をリベット止めとしています。(全体図参照)

このFBにフックを掛けて商品陳列する仕組みになっているのです。
作図ポイントとしては、支柱の納め方にあります。
まず底面と壁面にインローパイプをビス止めしてから差し込むようになっています。

しかし、作図を見て分かるように、2箇所にあるインローパイプ(壁面と底面)に、同時に差し込むことは、ちょっと無理があります。どちらかを先に差し込むしかないんです。

取付けのポイント!

この場合、私がよく使う手があります。それは、壁からの持ち出しのインローパイプに取付ける側のパイプを半割にするのです。半割のパイプは丸パイプに溶接されてますので、パイプ自体を上から落とし込みます。

ルール通りにいきませんが、突き出しパイプは、前から見るときっと見えないので、ちゃんと納まります。フックをかけて商品を置けばなおさらでしょう。

今回の作図事例「壁面アール(R)型什器の作図事例と納め方」の什器を設置した、店舗設計資料集がありますので、是非参考にしてください!

 スポーツシューズ専門店の作図事例集_Part2〈造作図・什器図編〉

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