■サイズ■仕様
W580×D50×H2400
図面参照
 建具:アイカマーレス不燃+コーリアン圧着貼り
 枠:ボンデ鋼板 t2.3mm 塗装仕上 
■備考
業態:結婚式場
作図日:2012.11.25
■難易度:中級編/★★★☆☆
《WJ_000》は、木製建具(wooden-joinery)を指します

作図解説

今回は、建具の表面に人工大理石のコーリアンを圧着貼りする計画の作図事例をご紹介します。

カウンターなどで使うことの多い材料を、開閉する扉に採用した、少し珍しいケースです。図面には「チャペル」の表記があり、以前に携わった結婚式場の案件だったと記憶しています。扉の片面を周囲の壁面と同じ仕上げにして、壁と一体に見せる計画でした。

図面上の扉寸法は、幅567mm、高さ2382mm。コーリアンは厚さ9mm、接着層は1mmとして描いています。背の高い扉に仕上げ材の重量が加わるため、当初は重量用のピボットヒンジを指定しました。

扉全体の重量をどのように支えるか、気にしながら作図していたことを覚えています。

ところが、最終的にはミラー貼りへ変更となり、この案は実現しませんでした。金物も通常の蝶番へ修正しましたが、変更後の図面は手元にありません。

今回は、当初案の納まりを確認する資料としてご覧ください。

作図ポイント

まず確認したいのは、a部の平面詳細図です。

扉と枠の位置関係に加え、仕上げ材と接着層の厚さ、戸当たりのクッション材、ケースハンドル、ピボットヒンジの位置が描かれています。

ここで大切なのは、扉を閉めた状態と、開く途中の動きを合わせて考えることです。

厚みのある材料を貼る場合は、仕上げを含めた扉の厚さと回転軸の位置を確認し、端部が枠や壁に干渉しないように納めます。

ハンドルや錠前についても、完成した仕上げ面を基準に取り付け位置を追います。

扉本体だけで寸法を決めると、仕上げ材を貼った後に必要な加工や取り付けが合わなくなることがあります。

続いて、b・c部の縦断面詳細図です。

上部には枠と扉の取り合い、クッション材、上側のピボットヒンジを描き、下部では扉下端と床の間隔、下側のヒンジ位置を示しています。

上下の金物は、同じ回転軸上に納める必要があります。平面詳細図で決めた軸の位置が、縦断面詳細図でも一致しているかを照合してください。

扉の高さと上下の隙間も、枠や床の寸法と合わせて確認します。

また、上部には「現場にてコーリアン貼り延ばし」という指示があります。工場で仕上げる範囲と現場で施工する範囲を分けて伝えることも、詳細図の大切な役割です。

平面詳細図では横方向の位置関係と開閉の動きを、縦断面詳細図では上下の支持と隙間を確認します。両方をそろえることで、姿図だけでは伝わらない製作・施工の条件を具体的に示せます。

その他・私見

当時は、コーリアンの防火性能について、私自身の確認が十分ではありませんでした。人工大理石という名前や石のような見た目から、材料の性質を思い込んでいた部分があったと思います。

今振り返ると、納まりを描き始める前に、採用する製品の防火性能や設置場所の使用条件を確認しておくべきでした。(これについては大いに反省が必要)

形を図面にする知識と、その材料を使えるかどうかを判断する知識は、どちらも必要です。

余談ですが、こうした図面は当時、1枚8000円〜1万円ほどで描いていました。

2012年に振り返った際も同程度の単価で、長く仕事を続けるには、作図の精度とともに効率も考えなければならないと感じたものです。これは当時の記録として添えておきます。

まとめ

今回のように実現しなかった図面にも、検討した納まりや作図の考え方は残っています。

平面詳細図と縦断面詳細図を対にして読み、一本一本の線が何を示しているのかを理解しておくと、次の建具を描く際の手掛かりになります。

過去の図面を、理由まで説明できる資料として蓄えていく。それが、実務で役立つ引き出しになっていくと思います。

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