知っておいたほうが良いかもね!
今回は多くの要素が詰まった建具についてのお話です。普段、何の気無しに見ている建具には『ドアクローザー』なるものがついています。
ドアチェックとも呼ばれていますが、この装置が2種類あることを知らない図面屋さんがいます。ちょっと驚きですが、そんなドアクローザーも説明していきます。
それでは、以下の図面が今回の作図事例です。まずはゆっくり眺めてください。図面を読み取り、納得することから始めるのも必須です。
■サイズ | ■仕様 |
W836×D100×H2472 図面参照 | 建具枠:木工下地ラッカー塗装仕上げ 建具:木工下地ラッカー塗装仕上げ ドアチェック取付(ストッパーなし) |
■備考 | |
⭐ スチームレス | 難易度:上級編/★★★★☆ |
作図解説
この図面は、店舗内に設置したストック出入り口用の建具図です。スタッフの出入りがしやすいように、レバーハンドルではなくスチールの押しプレートを取り付けました。
特に難しいとされる収めはありませんが、建具と壁が同一面になっている所に注意が必要です。この場合、必ず壁と建具との間にフラットバー(以下FB)やLアングルなどの見切り材を取り付ける事になります。
すぐに目につくように平面詳細図と断面図に赤い点線で囲っています。
まず、平面詳細図(a 部詳細図)です。
壁面の仕上げを見切るだけでなく、こうすることで店内側からの見た目が良くなります。私は、これを建具枠を見せないフレームレスと呼んでます。建具枠を見せると壁面の統一感が損なわれるので、出来るだけこの納めで図面を描きます。
しかし、実際に現場では床の不陸などが原因でなかなか同一面に揃えることが難しく、厄介な納めでもあると聞きます。
次に、吊り元のヒンジにはピアノ蝶番を使用し、ストック側に取り付けていますが、この場合、従来の開き戸用の枠形状とは若干異なる形状になるので作図としてはいろいろ厄介なこともあります。
そのため、今回は建具の戸先に戸当たりを取り付けるようにしました。このあたりの収めは、しっかり読み取るようにしてください。
以下の作図は、前述した内容での断面詳細図となります。ここにも、赤のマーキングがトップ画像にありますので、確認願います。
作図ポイントとは言い難いが!
ちょっと作図説明から逸脱しますが、知っておいたほうが良いのかなって感じで書いてみましたので、参考になさってください。まず下の絵を見てください。
ドアクローザーには基本的に2種類のタイプがあり、それぞれをパラレル型、スタンダード型と呼ばれています。どう違うかというと上の画像をご覧いただければよく分かるでしょう。
ドアが開く側と同じ方に設置されているのがスタンダード型、ドアが開く方と反対側に設置されているのがパラレル型です。
また、ドアを閉めたときにドアとアームが垂直になるのがスタンダード型、平行になるのがパラレル型です。
極端に狭い場所に設置しなければならないなどの条件がない限り、どちらのタイプでも設置が可能です。ただしスタンダード型はアームが外に出っ張ってしまうため、スペースの余裕がない場所には設置ができないので注意しましょう。
今回の作図事例では、このドアチェックを取り付ける面の判断基準が、建具の売場側とは反対面に取り付けることでした。
これについても前述しましたように、売場の意匠にそぐわない不要なパーツ(ドアクローザー)は出来るだけ見せない方が良いということです。もちろん建具枠もですが!
最後に、作図上の注意点として少々!
それぞれのドアクローザーは、建具枠への取り付け方法も違うので、開く方向をよく考慮して作図するようにして下さい。
もっと詳しく見たい方は下記メーカーのホームページを参照して下さい。
⇒ リョービ株式会社
以下参考までにご覧下さい。
まとめ
今回の作図事例は如何だったでしょう!
この作図事例でもそうなのですが、図面にはドアクローザーは実線で描きません。なぜなら、まず時間がもったいないのです。品番ごとに、それも正確には描かないのが常です。
ドアクローザーは、各メーカーで品番やサイズがありますが、サイズはマチマチでこれを描き入れることでかなり時間を要します。かと言ってそれほど必要性を感じないのです。
しかし、品番が決定した時点で実線ではありませんが、取り付け位置などは再確認しますが、それほどシビアには考えたことはありませんし、描いても建具業者が再度描き直すからです。
そんなことより、図面自体の精度を上げる方を良しとしますから!
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