■サイズ | ■仕様 |
W1200×D700×H1100 図面参照 | ショーケース:スチールクロームメッキ仕上げ t=6mmクリアガラス 腰部:木下地ウレタン塗装仕上げ |
■備考 | |
20.05.05更新 |
作図説明
宝石や貴金属などは、高級感を醸し出すショーケースが必要ですが、今回は打って付けの作図事例をご覧頂きましょう。
楕円形のフォルムは、丸みのある形から柔らかさを感じさせ、女性をターゲットにしたアクセサリーショップなどには、必要不可欠だと感じます。ただ、什器を曲線状に製作する必要があるので、スクエアなフォルムのショーケースに比べるとそのコストはかなり跳ね上がります。
この高価なショーケースが配置されるということは、それなりの売場であって、全体の店舗づくりにはかなり凝った設えが感じ取れました。
作図もそれなりに時間がかかるので、出来るだけ描きたくない作図でもありますが、そこはプロですからそつなく熟します。
しかし、以下の作図にはちょっと時間をかけました。カラフルな作図ですが、百貨店側からの指示でした。私は図面に色をるけるのは帰来です。
さて、楕円形の形状だかたといって、特別難しい収めになるわけではありません。しかし、注意するべき収めが、ケースの前板や側板のガラス位置にあります。
一般的なショーケースの場合、スライド式天板の見付から少なくとも10mm以上離した位置に前板や側板ガラスを差し込む溝を作ります。(ピンクでマーキング)しかし、よく見ると什器の前面を合わせたいが為に、引き出し式の天板の見付にガラスをFIXする為の溝だ設けられません。
ガラスの厚みは、6mmに決定したためと前面合わせが原因でした。6mmを5mmにしても難しさはありました。(設計ミスだ!)ご理解になれますか?
このあたりが、収めをしていて悩むところです。ここで思いついたことがあったのです。それは、スライド式天板の見付にスチールのフラットバーを付けることでした。
a部詳細図の見付部分を見てもらうと、t=2mm×40mmのフラッットバー(以下FB)を取り付けています。このFBをガラスを押さえとして利用したので、見付けから5mmの位置に前板ガラスを差し込むことができています。
次に鍵との取り合いでも悩みました。赤いラインで描いているのが鍵なのですが、見付けサイズが40mmなので前板ガラスと干渉しているのが見て取れます。
この場合、前板ガラスに鍵の大きさ分の切り欠きを入れて解決することとしました。また同様にファブリック仕上げのトレーにも、鍵の引っかかる部分と干渉するので、一部を切り欠いています。因みに平面断面を下に添付してます。
このようにショーケースのスライドするトレーや前板ガラスの収めには数ミリ単位の調整が必要となってきます。そのため、鍵やスライドレールのおおよそのサイズを常に把握しておいた方が作図もしやすくなります。
その他、詳細図も添付しておきます。
上記は、本来もっと先にご覧頂く作図でした。話がそれてはいないのですが、特に悩んだ箇所を先にお話ししてしまった結果です。ご容赦を!
後記
作図を描き終わってから気になったのが、ショーケース内に照明器具が無かったことです。時として施設内の天井照明(基本照明)で照度を確保できる場合もありますが、ケース内の商品をより際立たせるためには、やはりスタンド式の照明などが必要でしょう。
このように、百貨店の作図にはかなり気を使います。急ぎの百貨店物件で、婦人衣料の実施設計を依頼されたまでは良かったのですが、デザイナーさんの意向が強すぎて、収めについてはかなり苦労しました。しかし、この物件をやり終えたとき感じたことは、以前より知識が増え、収めについても多くの引き出し(ノウハウ)をつくることが出来ました。
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