In Wear_2001.1
■サイズ■仕様
W1250×D580×H1250
図面参照
本体:木下地化粧板仕上げ
スリット柱:ロイヤル S2B-14×24(ニッケルサテン)
上下:14×24C取付
■備考
2020.07.08

作図説明

今回の作図事例は、非常にシンプルなフォルムのシステム什器図です。従来のシステム什器では、メーカーのパイプ組したフレームを本体にして、天板や側板を取り付けることが少なくはありませんでした。

しかし、この事例では本体を木工パネルで製作しています。スリット柱は既製品を使用し、天板とステージとで挟み込むようにしています。言わば別注のシステム什器です。

下記がこのロイヤルのスリット柱と上下のパーツとなります。

普段我々が、使用する什器メーカーの既製品では本体が金物フレームになっていて、横揺れに対しても耐久性があります。

しかし、この事例の場合はフレームがないために、耐久性のも乏しさを感じます。そこで考えたのが、天板の裏側とステージ内部に角パイプによる補強材を追加することとなりました。これで強度は高められるでしょう。

以下の断面詳細図で赤で描かれている部分です。これで十分とは言いませんが、商品を掛けると、自重でかなりの安定性はあります。


断面詳細図

そして、もうひとつの補強方法としてスリット柱間に背板を設けることも考えました。この場合は意匠変更となりますが、商品を掛けて、また棚置きすれば、背板はほとんど見えません。

立面図

上記を見れば、よりご理解になれるでしょう。これでかなりの横揺れ防止が確保されます。また、今回は木パネルを使用しましたが、スチール角パイプをロの字で組みその中へ半透明アクリなどを取り付けても良いでしょう。要は補強が肝心なのです。

後記

今回のような木製の什器は、やはり強度への懸念を感じます。しかし、什器を考えるデザイナーは見栄えばかりを考えて、肝心の強度への関心が薄れているようのも思えます。

実施図面を描く我々が苦労するのがこのあたりです。最近では、スチール+シート仕上げと言う手があるので、考える方も楽にはなってはいるのですが、やはりここは、基本図の時点で何らかの案をもって作図にのぞんで欲しいと考えます。

初心者の方は、今回の什器の製作過程などを一度考えて見る事も大切です、そうすれば、より理解が増すでしょう。私などはよくバルサ材で多くの什器をモデリングしました。

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