Silvereoods  1999.01.20
■サイズ■仕様
W1250×D550×1200
その他の寸法は作図参照のこと
天板:t=6mmクリアガラス
金物部:スチール+チヂミ塗装仕上げ 
木部:ナラ材染色CL仕上げ
■備考
 

背景

マイカルの勢いがピークを過ぎた頃、って言うか大型商業施設(GMS)が、ようやく従来の店造りには問題があると気づいたのです。より「お客様ファースト」の売り場を目指そうと。ただ、商品を羅列するのではなく、明確なVMDを導入しようと考えたことです。

そこで、既存のメンズスーツショップに見直しが入り、什器自体もその対象となりました。「商品を見やすく、かつ手に取りやすい」がコンセプトだったと思います。まあ、当たり前のことですがね。

作図内容

従来のシステム什器の多機能性は残し、左右には角パイプのフレームを取付けてディスプレイできるような構造になっています。また、什器高さもVMDの考え方を導入して3タイプとなりました。(作図参照)

この什器は、システム什器としての基本形であって、どちらの売り場でも多くみられます。しかし、今回の事例では、基本形にアレンジを加えました。より使い勝手の良さは、シングルハンガーとフェイスアウトを併用できるところです。

ファサードエリアには、高さの低い什器を配置し、売り場の奥へ向かうににつれ高くしていく方法です。当時は、商品が売れない、全く売れないってのが口癖のようでした。GMSの売り場はなんとかしようと躍起でしたね。

しかし、やはりスーパー系の商品は百貨店には勝てないのです。これは今(2020年)でもそうだと感じます。常々思うことは、売り場は器ではなく「MD」だと感じます。

それでは、作図の細部について説明します。以下は、a 詳細図ですが作図に赤でマーキングした箇所です。実施図では必ずここまでの作図は必要です。

a 部分詳細図

次に必要な詳細図が、b 部分です。

b 部分詳細図

この部分も、作図の中で赤でマーキングしています。明確な詳細図です。この什器については、この2箇所の詳細図で十分だと考えます。

作図上での注意点

スリットパイプの耐久性について
スーツ売り場の什器なので、商品の重さは若干重くなります。その為スリットにかかる荷重は他の衣料品よりも大きくなるので、耐久力のあるタイプを選ぶ方が望ましいです。

この作図事例のスリットパイプでスーツを陳列するのには少し弱いかもしれません。もうワンサイズ大きめにするかスリットパイプ間に補強用に意匠的なパネルを入れる手もあります。

左右のエンドパネルの固定方法について
部分詳細図では天板(ガラス)とエンドパネルの収め方を表しています。しかし、エンドパネルを固定するフラットバー(以下FB)とフレームの接点が少ししかないところに不安を感じます。

レイアウトの配置換えやディスプレイ商品の取り替えなど、何かと動かす機会が多い什器なので、ちょっとした衝撃にも耐える事ができる什器としなければなりません。

改良案を挙げますと、このエンドパネルを固定するFBを天板のガラス受けと併用できるようにL型に変更します。左右のフレームを繋ぐパイプ分を切り欠く必要がありますが、意匠的には何の問題もないでしょう。

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