ヒルトン小田原_2014.12
■サイズ■仕様
W3570×D200×H2700
図面参照
壁面:LGS+PB12.5下地化粧塩ビシート仕上げ
三方ゲート:天然木錬付OSUC仕上げ
格子:MDFくり抜きOSCU仕上げ(t=15合わせ)(ケンドン式)

■備考

作図説明

リゾートホテルの改装に伴う共通環境の設計に携わった物件です。今回の作図事例は 、個性的な格子を使用したスクリーンパネルとゲートの詳細図です。

ホテルのエントランスやエレベータホールなどで、季節を演出するディスプレーのバックとして活用出来るゲートとスクリーンです。希にカウンターバックでの演出も考えられます。

まず、ゲートから始めましょう。以下の平面詳細図を見てください。

平面詳細図


天然木の突き板を練りつけた220mm×200mmのゲートは、サイズ感もあり、非常に大きな存在感を主張しています。また、大きな底目地を挟んだ見付けに20mmの段差を設けることで、奥行き感のあるゲートになっています。

この大きなゲートは天井からのボルト吊りと、壁面の固定用角材を用いた2つの方法で固定しています。

壁面にはビス止めした角材にゲートを差し込み、ボンドで接着し固定します。天井からは、吊りボルトをゲートの底面まで貫通させ、35mm×35mmの座とナットを用いて締め付け固定します。

しかし、意匠上ナットや座を見せるわけにはいきませんので、固定後に埋め木をして仕上げ材の突き板を現場貼りにしました。

この埋め木と仕上げ材を現場貼りにする収め方は、木目を活かす染色やオイルステン仕上げの場合に有効な手法で、様々なところに応用できます。

この機会に覚えておいたほうがいい収め方の一つです。

もう一つ覚えておくと良いポイントを挙げておきます。
それは各詳細図にも描いているフィラー(隙間を埋める部材)についてです。
わかりやすように赤点線で囲っています。

この事例のように高さが天井まであり、左右も什器や壁で囲われた場合には、10mm前後の隙間を空け、設置後にフィラーを取り付ける工法があります。

特にホテルや住宅の家具などでは、見た目もきれいに納めることができるので、設計段階であらかじめフィラーを取り付ける位置などを意識しておくとよいでしょう。

続いて、格子パネルです。


格子に使っているMDF材は、加工のしやすさと大きなくり抜きをしても高い耐久性を保てる特性があるので採用しています。

このMDF格子は、上部のゲート底面と足元のハカマに対してケンドン式にて取り付けます。

左右の50mm×60mmの格子枠と一体になったハカマは、ゲートを壁面に取り付ける方法と同じように角材を使い、カールプラグとビスによって固定しています。

作図上での注意点としては、ケンドン式の取り付け方法についてあります。それは、断面図の青点線で囲っているとことのゲートとハカマに設けた溝に必ずクリアランスを設けることです。

このクリアランスサイズは格子の奥行きと落とし込む寸法の両方に深く関係しているので安易に決めず、必ずシュミレーションをしてから決定してください。

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