阪急西宮文具ワールド_2008.08
■サイズ■仕様
W1200×D450×H1350
図面参照
本体:木工染色CL仕上げ
可動棚:t=8クリアガラス+飛散防止フィルム貼り
■備考
”きほんのき”ですからしっかり覚えて!

作図解説

シンプルで使いやすい木製ラック什器の作図をご紹介します。この手の什器は、商品をメインと考えているので、これと言ったデザインは難しいです。

フォルムは、とてもシンプルなのですし、所々にちょっとしたデザインが成されていいて、木の染色でちょっとした高級感が漂います。

実はこの什器、ステーショナリーショップで作成したものです。

上部のフレームは25mm×25mmの無垢材(むくざい)を使用し、支柱内側にダボを取り付け、可動棚を設置します。

a部詳細図にてこの部分を拡大していますので参照下さい。


若干気になるのが、ガラスの可動棚を支えるには、やや細すぎる感があります。意匠的には、シャープ感があって洗練されたイメージを与えてくれるのですが、強度的に厳しいものを感じます。

出来れば、スチールの角パイプを使った方が良かったかもしれません。

店内に配置される什器との意匠統一を図るためにこの25mm角になっているので、いたしかたないですが、強度面からみれば、木製ならば40mm×40mmぐらいは、欲しいところです。

また、ダボを取り付ける面が大きくなれば、ガラスとの接点も比例して多く取れるのでより安定度も向上しますしね。(ここは反省点だと感じます)

次に、腰部についてです。


什器の奥行きが、450mmなのと陳列する商品サイズを考慮して片面だけに引き出しを取り付けました。裏面には、同じ意匠を施してダミーの引き出しにしています。

このダミー意匠は、今でもたまに見受けられる手法で、議事窓や建具といったものにまで応用されることがあります。

脚部はステンレス製で、四角錐の形状に加工しています。取付方は、一般的な方法で同素材のベースプレートを脚に溶接処理し、什器底面にビスで固定しています。

ポイントとして!

今回の事例のような什器は、多く見られます。シンプルになればなるほどフレームは細くなってきます。ただ、注意したいことはその安全性です。

過去にも、デザイナーさんの要望で、15×15のフレームでこの事例のような什器をを造りましたが、案の定店内では使い物にならなかった例があります。

確かに什器の見映えも、大事なのですが、強度が必要な箇所にはサイズを変えたり、スチールを使ったりと代替え案も考えて設計するようになさってください。

純恵でした。

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