■サイズ■仕様
W1525×D102×H2225
図面参照
建具:化粧板仕上げ
 枠:スプルス材染色CL仕上げ
■備考
店舗内環境:建具類
作図日:2017.06.07
■難易度:中級編/★★★☆☆
折れ戸の基本型。覚えるべし!!
《WJ_000》は、wooden-joinery(木製建具)をさします

作図解説

今回の作図事例は、クローゼット扉などでよく使われる折れ戸の詳細図である。

住宅でもよく見かける建具だが、店舗設計の中で頻繁に作図するかと言えば、意外とそうでもない。

ただ、折れ戸の基本構造を理解しておくと、大型の可動式間仕切りや収納扉、バックヤードまわりの建具にも応用できるので、覚えておいて損はない。

折れ戸を考える場合、まず基本になるのは扉の分割数である。基本的には2枚の扉で1セットと考え、全体の枚数は偶数枚で構成する。

この考え方を押さえておかないと、開閉方向や金物の配置が整理しにくくなる。

今回の図面では、開口枠と折れ戸本体はかなりシンプルにまとめられている。

特別な戸当たりを設けるような納まりではなく、木枠の中に折れ戸を納め、上部と下部のレール、ピボット、ヒンジ、ツマミで構成されている。

見た目としては単純だが、実際にはクリアランスと金物位置の整理が重要になる建具である。

作図ポイント

まず確認したいのは、a部詳細図である。

ここでは、各扉のクリアランス、ヒンジ位置、ツマミ位置が整理されている。両端の扉と枠との間には8mmのクリアランスを確保しているが、これは使用する折れ戸用パーツのメーカー推奨値をもとに設定している。

各扉間のクリアランスについては、メーカーから明確な指定がない場合もあるが、この事例では、一般的な建具でよく使う3mmとしている。

こうした数値は、戸厚、扉幅、使用金物、開閉時の逃げによって変わるので、必ずメーカーのカタログを確認しながら作図する必要がある。

ツマミには、使用しないときに扉面から出っ張らないプッシュ式ツマミを採用している。折れ戸は開閉時に扉同士が近づいたり、手が触れやすい位置に金物が来ることもあるので、こうした出っ張りの少ない金物は納まりとして相性が良い。

扉背面にはミシン蝶番を使い、3箇所で固定している。折れ戸は2枚の扉が連動して動くため、蝶番の位置や数が弱いと、開閉時に扉がねじれたり、動きが不安定になる。特に背の高い建具では、蝶番位置のバランスはしっかり押さえておきたい。

次に、b・c・d部詳細図である。

基本的な考え方は引き戸の断面図にも近いが、この事例では足元の納まりがポイントになる。

扉の動きをより安定させるため、上部だけでなく足元にもレールとローラーを取り付けている。

折れ戸用金物には、下レールがあるタイプと、下レールを使わないタイプがある。

床面にレールを設けると、扉の動きは安定しやすいが、床の見え方や段差、清掃性には注意が必要になる。逆に下レールなしの場合は足元がすっきりするが、扉サイズや使用頻度によっては揺れが出やすくなる。

そのため、設置場所、扉の大きさ、使用頻度を考えたうえで、適した金物を選定することが大切である。

以下はb・c・d部詳細図である。

所感・まとめ

折れ戸は、見慣れた建具ではあるが、作図としては意外と注意点が多い。

特に重要なのは、扉同士のクリアランス、枠との逃げ、金物の位置、上下レールの有無である。このあたりを曖昧にしたまま描くと、製作時や施工時に判断が分かれ、開閉不良につながる可能性がある。

今回の事例では、枠から25mm奥まった位置に折れ戸を納めているが、この寸法は絶対ではない。開口枠と同じ仕上がりラインに合わせても問題はなく、設計意図や見え方によって調整できる部分である。

ただし、自由に決めてよい部分と、メーカー指定に従うべき部分は分けて考えたい。特にピボット、レール、ローラー、クリアランスについては、金物メーカーの資料を確認することが基本になる。

折れ戸は、単純に見えて、開閉の動きまで含めて考える必要がある建具である。正面図だけではなく、a部詳細、b・c・d部詳細のように、上部、中央、足元の納まりを整理して描くことで、製作側にも施工側にも伝わりやすい図面になる。

こうした基本を押さえておけば、クローゼット扉だけでなく、大型の可動間仕切りにも応用できる。折れ戸は地味な建具だが、覚えておくと確実に役に立つ作図事例だと感じる。

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