■サイズ | ■仕様 |
W900×D150×H2175 (開口枠含む) 図面参照参照 | 開口枠:スチール曲げ加工+ダイノックシート貼り(3M FW-7009) バッタリ戸:不燃化粧板仕上げ(アイカ セラール FJ-587ZD) グレビティヒンジ取り付け |
■備考 | |
作図解説
今回は飲食店を設計する際には、必ずと言っていいほど必要な作図があります。それは、バッタリ戸です。
今回の事例は、その作図内容、そして作図精度についても、良く描けているので、是非ご自身のマニュアル用にするためにも理解するようにしてください。
描き方は、一般の建具図と全く同じで、三面図と各部詳細図で構成します。ただ、厨房と客席(ホール)との間に設置するので、バッタリ戸の足下の防水処理との取り合いが、絡んできますので、注意してください。
では、トップが画像の三面図からご覧下さい。
一般の建具図と同様に、平面図では枠外の寸法と有効開口寸法(枠内寸法)、そして建具のワイドサイズが明記されている事が必須です。
立面図は、客席側と厨房内の床高さに100mmの高低差があり、枠外の高さがかわりますので、オモテとウラ面の2面が必要となってきます。
「沓摺(くつずり)」や「水返し」と呼ばれる防水の立ち上げ部分を覆うステンレス製のカバーが、バッタリ戸の下部にあります。
この部分が、飲食店を設計するときにしか表現されない箇所ですね。断面図では、床の高低差と沓摺、そしてバッタリ戸の位置関係が分かるようになっています。
作図上でのレッスンポイント
さて、本題に入りましょう。それでは、各部の詳細図をご覧頂きます。ます、a 部詳細図では、扉と開口枠の構造と吊り元に取り付けたグレビティヒンジ位置が明記してあります。
開口枠には防水対策としてスチールを曲げ加工して、シート貼りとなっていますす。しかし、防水性能と腐食耐性はステンレンスの方が高いでしょう。
また、この開口枠は壁の下地材にビス固定出来るようにフラットバーを2枚溶接処理してあります。以下、分かりやすいように赤色で表現してきます。
この固定方法は、一般的な鉄扉の納めでもよく使いますので、覚えておくと便利でしょう。
次にB、C部詳細図ですが、グレビティヒンジの軸が扉の中心に差し込まれていることで、どちら側からでも開閉できる仕組みになっています。
厨房の床が、コンクリートブロックと防水層によって、客席側よりも1段高くなっているのが、この断面図で読み取れます。この段差をステンレスプレートを曲げ加工してカバーしているのが、前述した沓摺(くつずり)です。
まとめとして
バッタリ戸は、湿気の多い厨房入り口に設置するので、耐水性と汚れを防ぐために、概ね化粧板を用いる事が多いようです。
また、火も扱うのことの多い厨房ですから、化粧板も、今回の事例のように不燃仕様を使うことを意識してください。
最後に、今回はバッタリ戸だけを解説しましたが、この厨房には、必ず防水区間が存在します。このあたりは当サイトにも、載せておきますので、是非覚えておいて下さい。余田和でした。
↓ ↓ ↓