壁面を華やかにする演出照明は必要か否か!
今回は、壁面の固定棚についてお話ししましょう。普段何気なく見ているショップの壁面ですが、「ここに間接照明を取り付ければ!」って感じることがよくあります。
といっても、全ての業態にではありません。私思うに例えばですよ、女性の美に関する商品を販売しているショップには必要かと考えるのです。アクセショップ、コスメ関連などは特に、ある種のムードが必要と考えるからです。
それを具体化したのが、今回の作図事例です。まず、下の作図をご覧ください。これは、コスメショップのサービスカウンターのバック壁面に設置した造作什器です。
それでは、この什器の説明に入りましょう。
■サイズ | ■仕様 |
W2400×D300×H2200 図面参照 | 内照式固定棚:木工化粧板仕上げ 棚トップ:t=5フロストガラス 棚底面:ハイライトルーバー 壁面什器:木工化粧板仕上げ+クロス貼り |
■備考 | |
難易度:初級者/★★★☆☆ |
作図解説とコメント
見た目は、何の変哲もない壁面棚ですが、この固定棚に照明器具を仕込み、棚トップをフロストガラス落し込みにしてみました。ねっぺらぼうの図面になってますが、竣工時ではなんとも言えない素晴らしい平面になりました。
棚には、コスメのボトル類を置きますが、そのガラスボトルに当たる下からの光が、女性目線を意識した雰囲気がよく表現されたと感じます。
この光を放つ光棚が、二段あって、途中に大きなサインは入るものの、それが直線で左右に広がるので、ボリュームも感じるはずです。
ちょっとここで断面図を入れます。上からコロシボックス、照明ボックス、内照明式の固定棚×2段の構成を確認してください。最下段は、ストックとなります。
作図上の注意点は、まず上部の固定については、ボルトにて吊りボルトで固定とします。次に内照明式の固定棚は、壁面下地から固定用のボルトを描いておくことです。ここではインロー式では固定できないので、こうしておきました。最下段のストックは、特に問題はありません。
それぞれの内容を再度ご覧になって、自分のものにしてください。
重要な作図ポイント
以下の作図は、内照明式の固定棚の拡大図です。まず、どう納まっているかをじっくり読み取ってください。木工でつくられたボックス状の棚に、フロストガラスがあり、照明であるスリム管、そして棚下部からの光を通すハイライトルーバーです。
そして、重要となる固定ボルトが確認できます。こんな構成でこの光棚が出来ているんです。こうしてみるとそう難しいとは感じませんが、如何でしょう? 簡単もんでしょ!
図面ていうのは、一見ややこしくて厄介なときもありますが、ひとつひとつの構成要素を見れば、それほどムル怪異ものでは無いのです。ですから、図面を描く人の意識の問題です。
尚、この図面はかなり以前のものですから、今はあまり、使わないようなマテリアルもありますので、ここは注意が必要です。スーパースリム、ハイライトルーバーなどです。
ここでの重要ポイントは、ずばり固定方法です!しっかり覚えてください。
後記
かつて、壁面と言えばロイヤルのスリットでした。私も若在りしころは、大型ショッピング施設で、毎日のように、壁面スリットを描いていました。スリットにはシングルとダブルがあって、大きな売り場の全フロアのスリット図を描いたものです。
そのときは、固定棚の納めなんて考えたこともありませんでした。フラットな壁面から、ニョキッと出た棚板を見てびっくりしたことを覚えてます。
どういう風に納まっているかとても興味がありました。デパートにも行って売り場をなめるように見て回りました。そして、とうとう分かったのです。『固定下地』で固定棚が仕上がっている。初歩的ではありますが、納得しましたね。感動もしたぐらいでしたから。
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