汎用性は感じられないがアレンジを加えれば……!

まず、下の作図を見てください。多くのガラス棚が読み取れますが、これは柱面を使ったディスプレー棚なんです。

しかし、あまり汎用性は感じられません。

ただ、追って説明しますが、その納めについてはパーフェクトな仕上がりでになっています。ですから、この作図さえマスターすれば、この手の作図ついては、今後一切問題なくよい図面が描けます。

あまり例のない作図なので、この機会に覚えておいてください。

■サイズ■仕様
W700×D460×H2365
その他サイズは図面参照
棚受け:t2.3メラミン焼付塗装
棚板:t=6mm/クリアガラス
補強金物:スチール角パイプ/40mm ×40mm
■備考
難易度:中級者/★★★☆☆

作図解説

ほとんどのショップには、無くてはならないのが棚板です。マテリアルによっても使い勝手によっても,その種類は多くあります。

そんななか今回は、とあるバッグショップでのディスプレーエリアの作図事例をご紹介しましょう。

ガラス棚を使って商品の見え方感を意識しています。バッグ屋さんならではの手法であって、下からの見え方感も意識しています。

今回の事例は独創性のある意匠なので、あまり汎用性がありませんが、一段一段のガラス棚の納めはしっかりした内容で描きました。

普段我々が、描いている壁面のガラス固定棚とは、ちょっと、嫌かなり違いがあります。事故の実施図を描きながら、私も勉強になったほどです。

ですから、みなさんにも是非、覚えて欲しいと思ってます。

作図ポイント(絶妙な納め)

まず、トップ画像の立面図になにやら棚什器のように見える、スチール組みしたモノが見えます。(断面図右横)
実は、これがキーとなります。ちょっと見ていきましょう。

ガラス棚を支えるのに重要な役割を担います。

拡大してみました。すると40mm×40mmと40mm×20mmのスチール角パイプ組みで構成された補強下地に12mmの溝が読み取れます。これがガラス棚を支える仕掛けととなっているんです。

まぁ、誰でもが考えそうなことですが、「ここまでやる?」っていう感じもしないでも無い納めで、ビックリしましたね。しかし、その完璧なる納めは素晴らしい!

次にその断面詳細を以下にご用意しました。
これを見ればより理解を深めて頂けると思います。普通ならPBに溝堀をして、コーキングする程度なんですが。

さらに凄いのが、以下の画像です。参った、参った。ほんとここまでやるかって感じ。ですが、バッグショップと簡単に言いましたが、やはりショップもただのバッグ屋さんでは無かったと記憶します。以下ご覧あれ!

ガラス棚のトップの詳細図です。

ここで、さすがと感じたのは、棚受けとしたt=2.3mmのスチール曲げ加工の部品です。73mmという数字が読めますが、最終ダラス棚ををせっりする時を考え、若干の角度を加えテイル辺りは凄い!

お分かりですか?じっくり読み取ってください。
この作図事例をしっかり理解してください!というのが分かるでしょ!ただですね、ここまでの納めをするとなると、かなりのコスト&手間が発生しますので、その辺りはご本人様にお任せます。

それでは、その他の部分詳細図をお見せします。以下の画像は、上記した内容の正面図詳細となりますが、ここでも、t=2.3mmのスチール曲げ加工した棚受けが確認されます。

上の断面詳細図と平行して見ていけばおのず、理解に苦しむことはないと考えます。納得するまで見比べてください。

以下は、平面詳細図ですが、何処を描いているか理解できますか?まず、トップ画像の平面図を見れば、そこに赤でマーキングしたカ所です。それほど時間はかからないと感じますがいかがでしょう。

この作図もしっかり描きました。ここのポイントは、先ほど出てきたt=2.3mmのスチール加工の部品です。これは、先ほどの棚受けとは違います。PBとガラス棚との見切りとしています。

これについては、それほど難しくないので理解は早いと感じます。

まとめ

今回は、ほとんど見ることも無い作図事例でしたが、お役に立てるでしょうか?

この40年、様々な図面を描いてきましたが、私もこの頃は毎日のように、かなり厳しい作図に翻弄されてました。確かに、今思えば「ようやったな!」って自分を褒めてあげたいです。

今では、難しい図面でもそれほど時間はかかりません。むしろ後輩たちの指導で大変です。

出来る奴は、食いつきが早いです。教えた尻から次々食いついてきます。私も昔はそうでしたからこんな奴にはしっかり教えます。今では独り立ちして頑張っています。

みなさんも、素晴らしい図面屋さんになることを祈って、終わりとします。長々とありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

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