■サイズ | ■仕様 |
W980×D500×H3000 図面参照 | 縦フレーム:40×40スチール角パイプ焼き付け仕上げ (日塗工DN-10 黒 3分ツヤ) シャッターパネル取り付け (積水樹脂株式会社 アイラインEL-S黒 015) |
■備考 | |
中級者 |
作図解説
この作図事例は、スチールフレームとシャッターパネルで構成したディスプレー造作詳細図です。オプションのパーツ類を付けなくても、意匠パネルとして成立するので、店頭の柱前設置には、非常に適していると思われます。
左右のフレームにはトラス組みしたように角パイプを溶接処理していますが、注目して頂きたいのがこの固定方法なんですフレームといっても四方あるわけでもなく、2本の角パイプ支柱が天井と床に最もオーソドックスな収め方で固定しているだけです。
いわゆる「検鈍式(ケンドン式)」と呼ばれていていますが、本来の意味とは少し違っています。
本来の意味は、家具や建具などの開閉方法の一種で、わずかに上げて外せるようにした扉、もしくはその開閉方法をさします。
身近なところで例えるなら、襖や障子などのこの「ケンドン式」建具に属します。
この上げてから落とすという一連の取り付け方に良く似ていることから、今回の支柱にもこのケンドン式という表現を使っています。
では、その支柱の取り付け方を詳しくご説明しておきましょう。
それでは最初に、フレーム部断面図をご覧下さい。
支柱が天井材を貫通して、天井下地材の軽量鉄骨(以下LGS)上にあるコの字チャンネルにボルトとナットで固定されていますが、設置する直前まではナットを緩めておきます。
かわって、足下にはインロー金物をアンカーボルトでガッチリと固定しておきます。天井内でのナットを緩めておいたことで、支柱は上部に持ち上げることができ、インローパイプに対して上から落とし込むことが可能となります。
ここで、初めて天井内のナットを締め付け、インローパイプにはビスにて固定して設置が完了します。
続いて、シャッターパネルを見ていきましょう。まず、a 部詳細図を見てください。既成品のシャッターパネルと両側のフレームとの取り合いを表現しています。
40mm角フレームの支柱と同じラインにパネルを取り付けるため、下地金物として40mm×20mmの角パイプを壁面に取り付けています。
尚、シャッターパネルの部材と構造は、シャッターパネル断面図で詳しく表現しています。使用したシャッターパネルも既成サイズがあり、上部の木工見切り材と下部の巾木下地材で調整するようにしてあります。
今回の作図事例に表記してあるシャッターパネルの品番は、既に廃盤となっています。ですから、類似したものを参考として添付しますので参照して下さい。
積水樹脂株式会社 フェイスライン
まとめとして
今回ご紹介した作図事例には、ポイントが2つあります。ケンドン式での支柱の納め方。そして、シャッターパネルです。
ケンドン式での注意点としては、支柱となるパイプの長さと上げしろでのスペースです。
支柱となるパイプの長さが長ければ、それだけ安定した固定が可能です。しかし、支柱となるパイプの長さ以上に取り付けるスペースが必要となります。
天井裏のスペースはそれほどありませんので、確認が必要です。事前に建築図などの確認がひっすです。
最後に、シャッターパネルについてですが、システム壁には打って付けですが、見た目には、高級感はありません。
使用されている店舗としては、スポーツ類を扱う店舗がほとんどでしょう。一度、リサーチするのも大事かも。余田和でした。
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