作図解説
この作図事例は、百貨店のブライダルコーナーに設置した壁面ショーケースです。外観は、ごく一般的な壁面ショーケースで、これといったデザインを施してません。
しかし、作図ポイントとして、ショーケース内部の壁面機能に、覚えておいて欲しい納めがあります。 ですから、このポイント部をしっかり理解するようにしてください。(作図2枚目参照)
さて、一般的なショーケースでは、様々な商品に対応出来るように、システムを使い可動棚を用いることが多いようですが、今回の事例では、全ての傾斜棚を固定とし、その固定方法をインロー式で処理しました。(以下作図参照)
尚、一番下の棚は、天板のみを取り外すことが出来るようになっています。これについては、棚板に乗せいるディスプレイ商品を棚ごと外し、お客様に見せるようにする機能もプラスしています。
珍しい機能としては、このような大型ショーケースではあまり見たことの無い機能です。最下段の棚板(底板)が、引き出し式になっていて、一般的によく見受けられるショーケースの機能です。
前板のガラスは、底板だけに埋め込まれているので、スライド時の衝撃に耐えるには強度不足。 そのため、ガラスと底板の際にガラスリブで補強をしました。
まあ、「いたせりつくせり」なショーケースですね!ただ、作図は大変でした
その他、ダウライトをメンテナンスする際に点検口が必要で、下から押し上げるようにして開ける蓋を設けてあります。
ケースのガラス扉には、スチールプレート曲げ加工した別注取手にして、ガラスの裏面からコーキングで固定しています。(上記 a部詳細図参照)
前述した傾斜棚それぞれには、指定された角度で傾斜をつけています。そのため棚根元に三角形の補強材を取り付けて
上の c部詳細図に表記しているように、固定はインロー式の金物を使って底面にビスで固定しています。
続いて最下段の固定棚ですが、この棚板だけは、水平のままで上段の棚と同じ固定法にして、もう一枚トレーを乗せる仕口にしました。
しかし、単に置くだけだとずれてしまう恐れもあったので、ズレ止用のダボをトレーの底面奥に埋め込んでいます。
最後に、使用した既成金物 ガラス丁番と棚下照明のデータ添付しておきます。
失敗と反省点
今回の事例の失敗点です。それは、棚板照明の付ける位置でした。棚厚が、けっこう薄かったので、配線を棚内部に入れ込む事が難しくなったことです。
出来るだけ配線が見えないように棚の奥に棚下照明を取り付けてありますが、これって良くないと感じます。
また、棚板がケース内の側板にも接していないので、全て背板に向かって配線を出す方法を取りましたが、感想としては、かなり考えさせられた作図でした。棚厚がもう少しあればとも思ったのですが・・・・・。
実施設計の難しさは、自分では決定できないことです。残念!
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