雑貨店で活躍するサービスカウンターの作図事例
物件名:阪急西宮文具ワールド_2008.08
作図はA3用紙を2枚で構成

作図解説

この作図事例は、高い収納力と機能を備えたサービスカウンターの代表作と言ってもよいでしょう。特徴はなんといっても、W=2400mmの長さを活用した収納力です。

配置された売場は、文具雑貨コーナーでのレジ付近だったとおもいます。一度調べてお知らせします。おそらくラッピングサービスも行うので、これだけのサイズと機能が必要だったのでしょう。

この各機能がわかるように、2箇所の平断面図と4箇所の断面図を描いています。トップ画像を見ながら進めてください。

まずは、A平断面図ですが、細かく分割した引き出しと芯出し(スライド式トレーを指しています。)を表現しています。

レッスンポイント

設計上での注意点は、引き出し内部の寸法であって、奥行きのある什器だからといって引き出しの内部寸法本体の背板ギリギリまで取れば良いというわけではありません。

これは、引き出すサイズが作業スペース(お客様と反対のスペース)の広さに大きく関わってくるからです。

例えば、作業スペースが600mm以下と狭い箇所にこのカウンターを設置した場合、引き出しをめいっぱい出してしまうとスタッフが通れる余裕がなくなります。

収納するモノを考えて設計するのがベターだと感じます。私はショップの店長と打ち合わせ後に実施図面を描くようにしています。

続いてはB平断面図です。
中央には厚みが、12mmの仕切り板を等ピッチで取り付けてあり、上下の溝によって引き出せるようにもなっています。

紙袋をサイズ毎に立てて収納するためで、百貨店などでは多くのカウンターに取り付けられている機能ですね。この仕切り板の右側には1000mm近い可動棚を2段取り付けてあります。

ラッピング用の包装紙を柄やサイズ別に収納できようになっています。トップ画像を見ながら確認してください。

ここからは、4つの断面詳細図をご覧下さい。
各断面図上段には引き出しか芯出しをどれもスライドレールにて引き出せるようになっているのがわかります。

C断面詳細図

C断面詳細図とE断面詳細図は、カウンター什器で最も多く見られる機能です。可動棚と引き出しの構成です。応用すれば色々な図面にも対応できますね。

E断面詳細図

D断面詳細図は、紙袋用の収納部で、溝のラインを点線で表現しています。

D断面詳細図
F断詳細図

F断詳細図は、ゴミ箱を収納する箇所ですが、場合によっては、外観からのイメージを意識して扉を取り付ける事もあります。この場合、扉には開口を付けるかか、開閉する投入口を設ける事が多いですね。(以下参照)

参考までに既製品の開閉投入口がありましたので添付しておきます。
スガツネ ステンレス鋼製 ダンパー付き屑入投入口

まとめ

まずは、習うより慣れろです。今回のレッスンポイントをしっかり理解することが大切です。平面詳細図と断面詳細図を自分なりにスケッチなどして覚えてください。

最後に、今回のサービスカウンターを含め、引き出しや芯出しを使用する場合には、必ず内部寸法の明記を忘れないようにして下さい。

事前に、必要寸法の情報が無い場合は、必ず店側の人に確認するようにした方が得策です。さもなければ、竣工後から狭すぎるなどのクレームが来る恐れがあるかもしれませんから。

私も若かりし頃はよく失敗しました。以上、余田和でした。

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