基本的な木製片開き戸の作図方法

今回から、ちょっと指向を変えて作図方法などを伝えようかと思いつきました。

第1回目として、『基本的な木製片開き戸の作図方法』からはじめていきます。

店舗には無くてはならない『建具』!

今回は簡単な、木製の片開き戸です。すでにこのサイトでも、多くの建具図をあげています。

ただ、描き方までは説明していなかったのと、読者さまからの声があったからです。

昨今、図面の精度が落ちていると考えますので、この機会にしっかり覚えてください。

建具図の基本を学ぶ

まず、以下の建具図面をご覧ください。

ほんと、なんでもない、片開き戸の作図ですが、これこそが、”きほんのき” だと考えます。

店舗設計においては、仕様は違えど必ずと言っていいほどこのような建具図が発生します。

今、手掛けているホテルなどでは、かなりの量があって大変です。

作図手順としては、まず三面図が必要です。

そして、平面詳細図と縦断面詳細図が、必ずとは言いませんが、必要です。(基本です)

右斜め上にある表は、この建具図の仕様や仕上げを指示しています。いわゆる仕上表です。

しかし、必ずしもこのような仕上表は作る必要はありません。

 

ほんと簡単な建具図で申し訳ないのですが、この程度の作図もちゃんと描けない人が少なくはありません。
悲しいことです。

上記、三面図の描き方での注意点は特にはありません。

ただ、注意点をあげるなら、建具枠は最低限 t=25mmは、取るようにしてください。

そうでないと、建具枠止めのステーが取付けられないことがあるからです。

それでは、「平断面詳細図」をご覧いただきましょう。

平面詳細図を理解!必須です!

この平面詳細図は必須です。

多くの建具図を見てきましたが、以外と平面詳細図を描いている方はあまり見ないですね。

簡易な建具だったらいいのですが、やっぱり図面の価値を上げるなら、ここまで描かなきゃもったいない!

Proと呼ばれる方なら承知でしょうが、初心者の方も大変でしょうが、今から描くように心がけて欲しい。

まず大切なのが、寸法です。

ここでは、建具の枠外寸法、枠内寸法、それと建具ワイド(DW)寸法は必ず記入すること!

後に出てくる、縦断面詳細図にも明記しています。とても大切な寸法です!

次に肝心なのは、付属金物と言う様々な金物の名称を覚えることです。

打合せ時などは、頻繁にこのような言葉が飛び交います。

前述の平面詳細図をもっと拡大しておきましたので、よ〜く見ておいてください!

向かって左部分から説明します。

部分詳細図_01

ここで習得しておきたいコト

・建具枠
・建具枠を補強する開口枠
・旗蝶番
・ステー


建具枠

建具枠は、もちろん建具に無くてはならない材料です。見附(厚み)は最低限、25mmは必要です。

見込みは、この場合、121mmとってますが、これについては建具の厚み、また壁面などの厚みよって変わります。

この建具枠のサイズは、現場によってかなり変化があるのでその都度対応が必要かと考えます。

今回は、前面から。建具が10mmセットバック、建具が40mm、そして戸当りのクッション材2mm、戸当たり30mm、残り寸法が、39mm となります。

図面30mmとなってますが実際は39mmでした。ご容赦を!

開口枠
これについては、必ずしも描く必要性はありませんが、建具重量がかさむときには描くようにしています。

特に、ガラスFIXされた建具、ミラー貼り建具、さらにスチールドア(鉄扉)などの場合は、絶対描きますね!

まぁ、現場サイドはこういったケースには、事前打ち合わせをすれば必ず入れているようです。

この事例の場合は、35mm×70mmのスチール角パイプを使いました。

止め方は、現場によって違いはありますが、溶接、もしくはビス止めでしょう。(現場で火気厳禁ありますから、注意!)

以下参考サイトあります!

旗蝶番
建具に不可欠なのが、当たり前ですが、 ”蝶番”です。

この蝶番にも様々な種類がありますので、一度ネットで調べるのも良いことです。

大変勉強になります。

ちなみに、今回は ”旗蝶番” を使用しています。

旗丁番とは、一軸構造で、左右の羽根が上下に分けられる丁番のことです。

片側の羽根が旗に似ている事から旗丁番と呼ばれます。

別称「抜き差し丁番」とも呼ばれます。 

以下、参考です!(イメージ)

部分詳細図_02

ここで、出没するモノと言えば!

プッシュつまみ(PK-04 DN/スガツネ)
マグネットキャッチ
・建具枠(説明済み)
・建具枠を補強する開口枠(説明済み)

プッシュつまみ
中央部分を押すと、ツマミが飛び出してくるのでプッシュつまみと言います。

押し込むと平らになり、一般的なつまみのように扉から飛び出していないので安全に使えます。

見た目もスマート。

取付け方法はこちら!

今回は、たまたま ”プッシュつまみ” を使用しましたが、あまり小さいと扉開閉は、やや辛いものを感じます。

ただ、建具面に余計なものを付けたがらないお客様はいますので、そこは打ち合わせをすることです。


マグネットキャッチ

マグネットキャッチとは、磁石の力を利用して扉を保持する器具のことです。

扉部分に金属と磁石が取り付けられていることで、扉を正しい位置で開け閉めすることができるようになります。

クッションタイプのマグネットキャッチもあり、設置面からさらに押し込むことで跳ね返って開閉を手助けしてくれます。
画像提供元はこちら!

縦断面詳細図も理解!必須です!

以下作図は、縦断面詳細図です。

平面詳細図を見てからでは、それほど難しいとは思わないでしょ!

慣れなんです、これって! 私のように、毎日毎日こんな図面を描いているとすぐにわかるんです。

ここで、出没するモノと言えば!

・建具枠
・建具枠を補強する開口枠
・旗蝶番

もうお分かりかとは思いますが、”平が縦” になっただけの事です。

まず、建具枠に関しては、平も縦も一緒です。

ただ、建具枠を補強する開口枠はここには見当たりません。 ただ、調整材は見られます。

建具枠のすぐ上に見えます。

本来の補強用の開口枠は三方にはいるのですが、ひょっとしたらあまり重量のない建具なのかもしれません。

次に、マグネットキャッチが破線で描かれてます。戸当たりの下にあります。

後は、旗蝶番の一部がちらほら見えます。

ざっくり、こんな感じで進めてきましたが、お分かりになりましたか>?

私は疲れました。

この縦断面詳細図にも、前述した大切な寸法表記を確認してください。

読み取れるはずですから、しっかり確認して下さい。

残念ながら、ここにも意味不明の30mmが入ってます。ここは、39mmでしたね。

この作図で注意する点があります。

それは、建具の高さをどう決めるかです。

私は、特に指示が無い限り、床から10mm 開けるようにしています。 これについては、私の”ルール” です。

 

そろそろ終わりに近づきましたが、仮に質問があればメールください。

最後に、今回とよく似たニュアンスの記事があります。

重複するかもしれませんが、是非読んでみて下さい。

長々とお付き合いありがとうございます。

以上!

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