作図説明
アパレルの店舗などでは、ファサードに必ずディスプレーエリアを設けますが、このディスプレーエリアには、店頭での視認性を上げるために様々な仕掛けを施す場所でもあります。
中には、見せ場として強調するために、ディスプレーバックにパーティションや今回の事例のようなガラススクリーンを用いて空間を区切ることも一つの手法としてあげられます。
そこで今回は、スチールの角パイプフレームとガラスを用いたスクリーンの一例をご紹介します。
店頭にある柱前に、ディスプレーバックとして使用したスクリーンです。高さもあるので透過性のあるクリアガラスとタペガラスを用いました。
サインの両側のフレームには一点掛けを2本取り付けてあります。これは、コーディネートした商品をディスプレーして、お客様への訴求を図ります。
さてその納めはというと!まず、全体像をチェックします。
考え方として、フレームは40mm×40mmのスチール角パイプ組での構成で、一般的なものと考えてもらって結構です。その固定方法は、柱面からは、インロー式、床については、アンカー止めとします。
※注意点
持ち出しパイプに使うインローパイプの長さです。基本的にインローパイプの長さは持ち出す奥行き寸法の半分以上を目安として下さい。短すぎると、後でビス固定が難しくなり、場合によっては抜けてしまう恐れもあるからです。
床の固定方法については、ベースとなる35mm×35mmの角パイプをアンカーボルト止めして、その上にサッシュを被せる手法をとっています。
※注意点
施設によっては床面へのアンカーボルト止めが規制されて不可になっている場合もありますので、確認が必要です。
最悪の場合は、カールプラグとビスにて代用するのですが、アンカーボルト止めより強度は落ちますので、納まりを考え直し、強度を上げる案を練り直すか!ってとこですね。
それでは、おさらいのつもりで、以下を読み取っていただきましょう。どうですか?理解して頂けますか?
それでは最後となりますが、基本フレームが固定されたとして、次はガラス取付けです。基本フレームに設置後、それぞれのフレームに取り付けた9mm×9mmの押さえ縁があります。
一方はすでに溶接止めをしているので、もう一方の9mm角パイプをビス固定します。その後、コーキング処理をすれば完璧です。尚、コーキングはクリアが一般的でしょう。
この納めは、サッシュの基本形と言ってもよいでしょう。是非覚えておいてください。
まとめとして
先ほどの床アンカーについて、私の場合は一度、業者さんと打ち合わせをして、彼らの指示でもう一度、図面を描き直すようにしています。固定物がしっかり止まっていなければ、竣工後の日々が不安になりますからね!
作図上の注意点としては、こういった大きな面を持つガラスを使用する場合は、必ず、飛散防止フィルムを忘れずに記入しておいてください。昔といってはなんですが、災害時の安全対策は今ほど厳しくありませんでした。
ですから、当時はガラスには何も対策を施していません。しかし、現在ではこういったスクリーンには必ず飛散防止フィルムを貼ることが義務付けられているので、忘れずに指示しておいてください。
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