物件名:心斎橋OPA アラカンパーニュ_12.07
■サイズ■仕様
W2510×D650×H1000
図面参照
ベンチシート背もたれ:ウレタン下地レザーダイヤモンドボタン張り
ベンチシート腰:ウレタン下地レザー張り
巾木:パイン無垢板ワックス拭き取り仕上げ
※エイジング加工
■備考

作図解説

レストランやカフェでは、お馴染みのベンチシートが、今回の作図事例です。そしてベンチシートとして、 代表的なスタイルとなっているので、基本的な構造などを理解し自分のものとしてください。

まずは仕上げについてお話しする前に、以下断面詳細図をご覧ください。

断面詳細図

ベンチの背もたれは、レザーをダイヤモンドに似せたひし形の位置にボタンで張り込んでいます。 レトロ感のある喫茶店では良く見かける手法で、「布団張り」とも呼んでいます。

座面とベンチの腰は同じレザー張りで、巾木にはパイン材の無垢材をエイジング加工して取り付けました。 尚、座面は脱着式で、内部にお客様の手荷物を、収納出来るスペースになっています。

この作図事例で注目して頂きたいのが、座面や背もたれの構造なんです。 図面で指示しているように、レザー張りの下地にウレタン材を用いています。

このウレタン材は、店舗はもちろん、ご家庭のソファやベッドのマットレス、椅子のクッションにいたる様々な所に使われている素材なんです。

ベンチシート本体の木製下地とレザーの間にクッション性のあるウレタンを入れることで、座り心地が各段に上がります。

しかし、ウレタン材にも種類があり、綿菓子のようなふわふわした柔らかいものから、発泡スチロールのように堅さのあるものまで多種にわたります。

これらを層状に重ねてレザーの下地としている方法が、最もポピュラーな工法でしょう。 参考までに市販のソファの断面画像を添付しておきます。

画像引用元:NOYES

密度の高いウレタン材をベースにして、柔らかいウレタンを重ねていっているのが分かると思います。 作図での表現方法としては、断熱材に似たもので十分で、厚みは最低でも20mm以上あれば良いでしょう。

クッション性を高くする場合であれば30mmから40mmの間ですね。

布団張りとは、本来壁装材などの工法のひとつで、織物の紙裏打ちがない布や、布裏の塩ビレザーをどんす張りと似通った方法で、主に壁に張る工法です。

ちなみに、どんす張りとは、どんす(紋織物の一種)のような高級な織物を、通常の壁紙のように裏打ちをしないで、布地をそのまま上張りします。

下地はガラス繊維等で、平滑でふくよかな下地作りをする施工法のことをいいます。こちらも知識として覚えておくと良いでしょう。

作図上での注意点として

座面を脱着式にて内部を収納ボックスにする手法は、とても多くの飲食店で用いられています。

ただ、今回のように座面を持ち上げる場合は、女性でも持ち上げられる重さと、勢いよく座っても問題ない程の強度の2点を考慮しておく必要があります。

後、布団貼りのピッチは事前に計算することぐらいでしょうかね。余田和でした。

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