■サイズ | ■仕様 |
W3845×D168×H2500 図面参照 | サッシュ:SUS HLプレート曲げ加工 スクリーン:t=8ガラスFIX+飛散防止シート貼り 引き戸:木工下地+化粧板仕上げ |
■備考 | |
作図解説
この作図事例は引き戸とガラスサッシュの外観図とその詳細図ですが、ちょっと目にしたこと無いサッシ構成です。
過去の資料を調べてみると、百貨店が発行するカードの受付カウンター前に設置したエントランスでした。
向かって左側のサッシュには、リーフレットボックスを取り付けています。そして、右側にはスタッフが、出入りするための引き戸を設けています。ちょっと高さを低く抑えています。
概ねの概略はこんな程度しか解りませんが、なんとなく想像してください。今回の事例で大切なのは、ガラスサッシの納めにあります。
作図ポイントとして大切なこと
それでは各部の詳細図を見ながら納めについてご説明していきましょう。まず、以下の作図を時間を描けてみてください。(a部詳細図をご覧下さい)
3845mm。大きな間口ですから、左右の壁面には補強用で60mm×60mmのステンレス(以下SUS)角パイプを、造作壁内部に据え付けました。
そして、倒れ止め用に同素材で4.5mm厚のフラットバー(以下FB)を溶接しました(画像左)。このリブを溶接することで、補強パイプのブレは、確実に軽減されました。
建築の鉄骨組や道路標識の柱などでは良く見かける手法なので、一度は目にしたことがあると思います。
尚、床面には、ベースとなるハカマにボルトとアンカーで固定しました。(画像右)以下参照!
これで、基本的となるサッシの納めが、理解できると思われますし、見えない場所にも気を使わなければならないのが、図面屋さんの使命です。
リーフレットボックスについては、付け足しで申し訳内のですが、簡単にいきます。
本体は化粧板で仕上げいますが、内部の背板にはカラーガラスをマット貼りして、前板にはクリアガラスをコーキングにて固定してあります。
続いては、従業員、スタッフが出入りする引き戸について。向かって右側の部分です。下の b部詳細図をご覧下さい。
SUS製の戸袋は19mm×19mmの角パイプを下地組し、その上からSUSプレートで覆いました。
戸袋の左右に底目地を設けて、ここにビス固定をしているのが、見て取れます。しかし、ここまでの材料を使うのはどうでしょう?予算があったのでしょうかね。
この取付方法は、スチールやSUSなどのボックスを組んだりする時に良く使うので、是非覚えておいて下さい。引き戸の戸先にはクッション材を取り付けて、開閉時の衝撃を和らげています。
最後にそれぞれの断面詳細図を見て、前述の説明と照らし合わせてください。
リーフレットボックスをガラスとガラスの間にはめ込んでいますが、ボックス本体をサッシュに取り付けた後にガラスを固定するようになっています。そのため、ボックスの上部と底面にはガラス用の溝を設けてあります。
また、この作図事例の引き戸は、吊りレールは使用せず、底面の戸車と敷きレールによって可動します。
ただ、底面の戸車だけでは安定性に欠けるので、上部にブレ止め用の細工をしてあります。
戸袋内部の角パイプに溶接されたLアングルを、引き戸上部のプレートで受けて、ブレずにスライドさせる仕組みになっています。
まとめ
いやいや、たいそうな図面のご了解でしたが、理解できましたか?これだけの作図を説明するには大変です。
本来へもっと細かい場所まで説明したかったのですが、限界がありました。残念です。
そして、このように比較的金物を多用した作図事例なので、若干ですが難しいと感じる方もいらっしゃると思います。
しかし、基本的には、鉄扉の枠と鉄扉本体を作図することとそう変わりはありませんので、上手く応用を利かせて作図してみて下さい。余田和でした。
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