
| ■サイズ | ■仕様 |
| W500×H2100×D500 図面参照 | サイン本体 : t=5mm 乳半アクリル 固定プレート:t=1.5mm スチールプレート曲げ加工 サイン:カッティングシート貼り ※その他は図面参照 |
| ■備考 業態:店舗環境全般 作図日:2000.01.10 | ■難易度:中級編/★★★★☆ 《SIGN_000》は、sign(サイン)を指します |

作図解説
今回ご紹介するのは、百貨店や大型商業施設の平場に設置する、自立型の行灯サインです。
百貨店の平場では、それぞれのブランドイメージを打ち出しながら、売場全体としての統一感も保つ必要があります。
一方で、平場は商品の入れ替えやブランド変更に伴ってレイアウトが変わることも多く、壁面のように固定されたブランドサインを設置しにくい場所でもあります。
そこで使われるのが、今回のような自立型の行灯サインです。
通路側や売場の境界に配置することで、ブランドの位置を知らせると同時に、売場のアイキャッチとしての役割も持たせることができます。
今回の什器は、下部の腰部分を売場共通の仕上げとし、その上にブランドごとの行灯ボックスを載せる構成です。(当時の流行)
腰部分を共通化することで平場全体の統一感を保ち、上部のサインで各ブランドの個性を表現する。百貨店の平場ではよく見られる考え方です。
作図ポイント

まず見てほしいのが、a 断面図です。上部に設置する行灯ボックスの固定方法です。
本体天板には、10mm角の木材を取り付け、行灯を設置するときのガイドとしています。
このガイドで位置を決めたうえで、行灯裏面からt=1.5mmのLアングルを使って固定します。
行灯は完成後には本体と一体に見えますが、製作や施工の段階では「どこで位置を決め、どこから固定するのか」を明確にしておかなければなりません。
さらに、照明器具にはメンテナンスが発生します。
球交換や器具の点検が必要になった場合、行灯全体を壊さなければ触れないような納まりでは困ります。
そこで今回の図面では、アクリルボックスを固定しているビスを外すことで、行灯部分を脱着できるようにしています。
もう一つ重要なのが熱抜きです。
行灯上部には、熱抜き穴を設け、内部に照明器具の熱がこもらないようにしています。
この図面を描いた当時は、現在のようにLEDが一般的では普及していなかったため、器具の発熱を考慮した通気計画は、行灯を作図するうえで欠かせないポイントでした。
LEDが主流となった現在でも、密閉されたボックス内に電気器具を納める以上、器具の仕様や放熱条件を確認するという考え方は同じです。
そして、以下の詳細図も見逃せません。

本体下部には、3Pコンセントを設けています。(百貨店では通例)
一般のお客様が目にする部分ではありませんが、百貨店や商業施設の什器図を描くのであれば、こうした電源まわりの納まりも早い段階で意識しておきたいところです。
行灯サインを描くときは、形だけを完成させるのではなく、「どこから電源を取るのか」「配線をどこへ通すのか」「器具交換ができるのか」まで確認しておく必要があります。
その他・私見
昔の図面を見返していると、「今ならここをもう少し描くだろう」と感じる部分が出てきます。
今回の図面でいえば、行灯の位置決めに使っている10mm角材の取り付け方法などは、現在の自分なら詳細図でもう一段掘り下げて描くと思います。
当時はその図面で製作・施工できていたとしても、経験を重ねてから見直すと、足りなかった情報や、もう少し明確にしておきたかった箇所が見えてきます。
これは昔の図面を振り返る面白さでもあります。
「当時はどう考えて描いたのか」と「今ならどう描くのか」。
その違いを見つけることも、次の図面を描くための良い勉強になります。
古い資料だからと片付けるのではなく、現在の視点を加えながら見直していくことで、まだまだ使える作図のヒントが残っていると感じます。
まとめ
行灯サインの作図では、形や仕上げだけでなく、固定・照明・電源・メンテナンスまでを一つの什器として考える必要があります。
完成すると見えなくなる部分ほど、製作や施工では重要になるものです。「どう見せるか」と同時に、「どうつくり、どう納めるか」を図面に残しておく。
これが、サイン什器を作図するうえで押さえておきたい基本だと考えています。
お願い致します!↓ ↓ ↓







