小窓付き引き戸の代表例

戸袋付き木製引き戸の作図事例
物件名:イオンモール幕張新都心店_2013.09
■サイズ■仕様
W950×D42×H2100枠込み
その他図面参照
三方枠:スチール曲げ加工焼き付け仕上げ
引き戸:木工化粧板仕上
窓:600×600/t5透明ガラス+ファサラシート貼り
アルミ製ガラリ取り付け(既製品)
■備考
初級編/難易度:★★★

作図解説

ひとくちに建具といってもいろいろな種類があります。例えば、自動ドア、テンパーライトドア、開き戸、引き戸などなど、挙げていくと数多く出てきます。

その中から、今回は戸袋付きの引き戸(引込み戸)に注目してみました。一般的な引き戸の場合は、扉を横にスライドさせてもその姿は残ったままで、立面図としては、違った見え方になります。

一方、戸袋付きの引き戸(引込み戸)だと、扉が壁の内部に収納されるので表と裏を全く同じ見え方にすることが出来ます。

その結果、両面の壁に開口枠の際まで什器や家具を設置することができる利点もあります。

しかし、戸袋内の仕上げがしにくいところや、ほこりがたまってしまうという難点があります。

戸袋付き引き戸の難点とは

それでは、これらの利点と難点を踏まえた上で、この作図事例をご覧いただければより理解しやすいと思います。以下、平面詳細図と断面詳細図をご覧になりながら、それぞれを確認してください。

平面詳細図
断面詳細図

店舗のレイアウト上、コの字型の造作壁を引き戸の収納スペースとして利用しました。お気づきの方もいると思いますが、引き戸を収納するスペースが117mmしかありません。(平面図参照)

よって、手が入らないので仕上げは不可!という事になります。

ただ、後方エリア(ストックルーム)ということもあって、あえてそのままの状態しておきまました。

注意すべき点は、引き戸レールの取り付ける際にプラスターボードの1部を一旦はずさなければならないところです。

最悪の場合、引き戸を開き戸に変更せざるを得ない事もあるので施工業者さんとの確認打合せが重要となってくるので注意してください。

また、引き戸で重要な点は建具の引き残し寸法と有効開口寸法です。

引き残し寸法はドアハンドルや堀込み取っ手が枠で隠れてしまったり、当たってしまう事を防ぐ為の寸法で、だいたい枠から100mm以上あれば、問題ありません。

一方、有効開口寸法は、引き戸が完全に開いた状態の寸法で引き残し寸法と大きく関わってきます。

ストックルームの入り口などでは、最低でも750mmの有効開口寸法があれば問題ないのですが、障害者用トイレやFR等の開口寸法は法規的に決められている場合もありますので必ず確認する事をおすすめします。

作図上での注意点と対処法

今回の作図事例では、扉を収納するスペースをコの字型の造作壁で構成しましたが、スペース的にこの構成が出来ない場合も多々あります。

その場合は、壁の下地材を小さいサイズにして、一枚の壁内部に扉を収納する手法を取る事が出来ます。

この対処法をした参考図を添付しますので、収納する壁の厚みに注目して比較してみて下さい。

それでは、次回も楽しみにしておいてください。余田和でした。

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