エディバウワー ダイアモンドシティ広島店_2004.01
■サイズ■仕様
W4120×D730×H3480
図面参照 
壁面:PB下地AEP塗装仕上げ
アーチ:アメリカンチェリー突板合板染色CL仕上げ
アーチ内部:シナ合板下地ラッカー塗装仕上げ
■備考
2020.06.14更新評価:★★★★★ 良く描けた作図

背景

アウトドアファッションの人気が高まり始めた頃にでした。大型カテゴリーショップって名称でこの店舗以外でも同様のスタイルで店舗展開を各社が始めたころでも亜ありました。

そんなさなか、私に回ってきた物件です。約100坪もの大型物販店の設計はおそらくこの物件が最初だったと思います。詳細図を作成する箇所が、過去に携わった物件よりはるかに多くあり、疲れました。

作図説明

まず、これほどの大がかりな壁面の実施設計なので、作図は2枚構成で描くこととなりました。以下は、トップの作図では見えない部分まで描いています。

壁面にゲート状の造作を設けたシステム壁ですが、当時の大型店では、GAPなどのように概ねこのスタイルでの販売が人気を呼んでいたようです。

多くの面積がある壁面ですから、このような形態(ゲートで空間を締める)でのビジュアル演出できるエリアは不可欠です。そして、商品カテゴリーを明確にするためにも効果的な手法としてよく使われました。

普通は方立(妻板や袖壁)を設置するだけでも、壁面の見せ場としての効果はありますが、ゲートを組むことでより明確に売り場を「見せ場」として位置づけることが出来ます。

大型店舗などでは壁面の要所要所にこの手法を活用して、商品を「見せる」スペースと「ディスプレー」スペースをうまく分けています。また、間接照明の光演出を組み合わせることでより効果的に見せるスペースを強調できます。

それでは各部の詳細図を参照して詳しくご説明していきます。

今回の事例ではライトベージュで塗装された壁面に250mm×250mmの木目ゲートを設置し、間接照明で四方からゲート内を明るく照らす構成にしています。

天井が高い大型店舗でしたのでゲートは少し大きめのサイズにしました。

ゲートから壁面に向かって伸びるパネルの先には棚下照明付きの可動棚用にラインコンセントを取り付けています。(a部詳細図を参照)

これは、ゲート内の壁面をなるべくスッキリとした見え方を希望したためです。

上部のゲートは天井下地材までボルトを通して補強を取っているのですが、ゲートの重量と安全性を考慮すると、天井スラブからの補強が良かったのかもしれません。(b部詳細図を参照)

続いて床面に設置した照明ボックスです。

照明器具の光を反射させて明るくするために内部は白塗装で仕上げました。床からの照明ボックスでは、乳半アクリを使って照明をカバーすることが多いようですが、今回の事例では少しでも照度上げるためにハイライトルーバーを採用しています。

作図上での注意点としては、間接照明を取付けるスペースについてです。それは、器具本体の熱で廻りの仕上げが焼けが出てしまわないように、ゆとりをもった設置スペースを確保する事です。

メーカーのウェブカタログには、推奨する有効寸法が記載されていますので、この寸法以上のスペースを確保するように心掛けていただきたいです。

現在は、LED照明が広く普及しているので、非常にコンパクトなスペースでの取付が可能となり、以前の照明器具と比べて取り付け場所で困らなくなりました。

後記

この図面は、20年近く前のものとなってますが、当時は「括る」なんて言葉で売り場、特に壁面やファサードなどの演出を多く熟してきました。

今でも言えることですが、この手法は結構使えます。少しアレンジを加えれば、大きかろうが、小さかろうがあらゆるところで使えます。現在でも、まだまだ通用できるので、あなたの引き出しを増やす素材にしてください。自由自在です。

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