背景
2007年〜2019年の間、継続物件としてはかなり長い食品スーパーの環境設計をしていました。多い時で年間で平均4〜5店舗の依頼がありましたので、通算でいくつの物件をしてきたのでしょうかね。
いずれにせよ、かなり多くの食品売場を設計してきたことだけは確かです。有名どころから、地方百貨店、地方スーパーとその数は数え切れないほどです。
作図説明
今までに担当した物件の中で、食品売り場の環境設計が多くあります。その甲斐あってか、作図する箇所がどの物件であっても共通する冷ケース上部の意匠やボーダーなどです
そこで、今回の作図事例は食品売り場の対面販売上部に設置したボーダー詳細図をご紹介します。
食品売り場だけでなく、どのような環境でのボーダーは、そのほとんどが吊りパイプで設置します。
この吊りパイプは、ボーダーの仕様や重量によって本数や取り付けピッチを決めなければなりません。
一般的には、φ16mm〜25mmまでの丸パイプ、あるいは角パイプで取り付けます。吊る位置は、ほとんどアバウトです。私はいつも、全体ワイドを見てピッチは、1500mm〜2000mmの間で設定します。
また、吊り方にも、ボーダーの形状を考えて二種類の収め方で処理します。
パイプ内に吊りボルトを通す方法と、ボルトをパイプの上部に溶接しておく方法です。
木工ボーダーでは、ボルトを通す方法が多く使われ、金物製のボーダーであれば吊りパイプも一体型にできるので上部にボルトを溶接した方法を良く使います。
参考までに溶接タイプのボーダー断面図を添付しておきます。
天井の設置点にワッシャーがありますが、そちらに寸切りボルトを溶接します。下部の溶接箇所は、配線ダクトカバーの上部です。
これに限らず、吊りボーダーの形状が決定したじてんで、吊り方法は臨機応変に考えることですね。
次に、今回の作図事例を見てみましょう。(下部作図参照)こちらについては、パイプ内に寸切りボルトを通して固定します。ボーダー下部に化粧ボルトが確認できます。
まずは、パイプの形状とピッチです。16mm×16mmの角パイプを使用し、1800近似値のピッチになっています。ただ、配線を通すパイプだけは16mm×32mmにしました。(下部作図の左上端にブルー色でマーキング)
この配線用パイプだけを大きいサイズにする事も良く使うので、一番目立たないとろこに設定しましょう。
次に、上の断面図を見ていただくと、L型のボーダーと吊りパイプの位置関係がわかるようになっています。
吊りパイプの固定方法については、ボルトを通してボーダー底面で化粧ナット止めにしています。
ただ、ボーダーの奥行に対して吊りパイプは前側にあり、幕板に接しています。
このままだと、重心が手前にきてしまい吊りパイプだけでは安定しないので、壁面からフレ止め用のステーを取り付けました。
吊りパイプの形状とフレ止め用ステーの形状をスケッチでも表現しているので参照下さい。
最後にボーダーの仕上げについてですが、L型ボーダーの正面だけにコの字型のステンレスプレートを接着力の強い両面テープで固定させています。
施工上でのヒント
この作図事例では、天井下地材にのせたMチャンネルにボルトで固定して吊るようにしました。しかし、ボーダーの長さ、重量によっては、天井スラブにアンカー止めをして吊ることもあります。
ただ、スラブは建築物なのですぐに許可が下りるとも限りません。ですから、そういった場合が発生するならば、事前に内装管理室と協議することをお薦めします。
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