先回の折り上げ天井は、理解されましたか?天井照明は商業施設には不可欠な装置です。その納めは、シンプルなものから、厄介さを伴う納めまで有り千差万別です。

ただ、ひとつひとつの納めを自分のものにすれば、その仕組みは自ずと理解出来て、参考図が無くても少し頭を使えば、オリジナルの作図が完成するでしょう。

まずは、しっかり自分のものとすることが肝心です。それでは、『折り上げ天井 Ⓑ 部の断面図と詳細図』を進めていきます。

リング式に構成されたインパクトのある間接照明

先回に紹介した Ⓐ の横に見えるリング式での間接照明 のご紹介です。上の大天井伏図には、多くのリング式の間接照明がありますので、参考程度でいいですから読み取ってください。

この間接照明は、他のそれとは違いがあります。

それは、多くの折り上げ天井は、直線的で表現されているのですが、これについては、リング式での表現のため、動的でインパクトがあるので、当然目を引くことを期待できます。

天井のアクセント照明とお考えになって頂くとお分かりになると考えます。

先回の間接照明と共に、デザイナーがよく使う手法であって、全体天井のバランスさえしっかり計算すれば格好の良いものとなります。

作図解説

フラットな天井部から、吊りパイプ式を取り付けた、SUS.HLの曲げ加工された150mmの照明部があります。その裏面に光源を取り付けた装置です。

見上げると、そこには見付け150mmのリングシルエット一片が、全体的には天井より浮き出た感じが、アンジュレーション効果で、天井にアクセントとインパクトを与え、動きと活気を感じる天井を演出します。

作図ポイント

拡大図を作って入れていましたが、それほど良くはなりませんね。この納めについては、普段、吊りボーダー図で描いているのと同じ仕口です。何ら変わることはありません。

天井補強として、天井内から寸切りボルトを通して、天上下から出ている化粧パイプを照明部(SUS.HLの曲げ加工された150mm)に取り付けたフランジにボルトを通してナットで締める納めとなります。

当時は、現場担当者との打ち合わせが出来ずに、「実施図面を描いてください」とだけで、私がそれなりに描いただけなんです。後はこの作図を基本と考え、現場で旨くやってくれることだけを祈ってました。

後記

今回の連載である、『天井計画』はとても大がかりな装置が所狭しと配置されてますが、このような事例は、最近ではあまり見ることは無いでしょう。今感じたのは、よく似た事例で、スーパー玉手を思い出します。

当時は、何かと派手目の装置が流行っていたようで、必要でも無いところまで凝ったデザインが、よく目に付きました。バブルですかね。

特に、今回のようなリング式の間接照明などは、よほどで無いと使われることは無いと感じます。他だ、読書のみなさんには、各間接照明部は、100%とは言いませんがとても汎用性があるので、全体計画図は置いておいて下さい。

必要な箇所だけはしっかり覚えてください。きっと後ほど、近い将来に役に立つはずです。これについては確信が持てます。長々とありがとうございました。

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