
| ■サイズ | ■仕様 |
| W1200×H2200×D450 図面参照 | 本体:14×32スチール角パイプニッケルサテン仕上げ ステージ:化粧板仕上げ(白) ※その他は図面参照 |
| ■備考 業態:婦人アパレル全般 作図日:1999.06.15 | ■難易度:初級編/★★★★☆ 《WF_000》は、wall-fixtures(壁面什器)を指します |

作図説明
今回紹介するのは、中部近鉄百貨店四日市店に計画された壁面フレーム什器である。
全体寸法はW1200×D400×H2200。高さ100mmの木工ステージ上に、細身のスチールフレームを組み上げた構成となっている。
壁面什器として計画されているが、基本的には自立型である。W寸法や設置条件が合えば、壁面だけでなく柱巻き什器としても展開できるだろう。
上部には、高さ100mmの薄型照明ボックスを設けている。内部にエースライン照明を納め、前面を乳半アクリルで覆うことで、柔らかな発光面をつくる構造である。
照明ボックスを薄く見せるためには、器具寸法だけでなく、配線や端部コネクター、アクリルの固定方法まで整理しなければならない。
照明への配線はフレーム内部や背面側に通し、正面からコードが見えないように計画されている。
フレームには、14×32、25角、32角など、複数サイズのスチールパイプを使い分けている。
見える部分は細く、強度が必要な部分には一回り大きな材料を配置し、軽い見え方と自立什器としての安定性を両立させている。

この図面で特に興味深いのが、商品陳列用の穴加工である。
一般的なフレーム什器では、支柱に連続したスリットパイプを使うことが多いが、この什器にはダボ穴と2か所のスリット穴だけが設けられている。
詳細図を見ると、上部のダボ穴は専用棚板を取り付けるためのものである。
棚板はダボで支持し、背面から押さえネジを締めて位置ずれを防ぐ構造となっている。
下部のスリット穴は、専用ハンガーバーの取付け用と考えられる。
商品を陳列する高さをあらかじめ限定し、不要なスリットを見せないことで、支柱をすっきり見せようとしたのだろう。
ただし、棚板をダボと押さえネジで固定する方法には、多少の不安も残る。棚板の先端に荷重が集中すると、ねじれや傾きが生じる可能性があるため、実際の棚幅や積載重量を想定した確認が必要である。
作図ポイント
まず確認したいのは、照明ボックス内部の有効寸法である。
照明器具が入るだけでは不十分で、配線の曲げ寸法、端部部品、器具交換時の作業スペースまで考えておきたい。アクリルやカバーをどの方向へ外すのかも、詳細図で示す必要がある。
次に、フレームの接合と表面仕上げである。
サテンニッケル仕上げは、溶接跡や研磨跡が目立ちやすい。正面から見える接合部は目立たない面へ逃がし、必要に応じて研磨範囲や仕上げ方法を指示しておく。
専用棚板とハンガーバーについては、取付方法だけでなく、用途と想定荷重を明記したい。専用品は汎用品よりも製作側が判断しにくいため、パーツ単体の詳細図が重要になる。
また、壁面側の電源位置と、什器側のレールコンセントや配線開口を事前に合わせておく。ここがずれると現場加工が発生し、完成時の見え方にも影響する。
尚、以下のパーツ類にも意識しておきたい。

所感・まとめ
この什器は、細身のフレーム、照明、配線、専用陳列パーツを一体化した作図事例である。
特に、ダボ穴と限定されたスリット穴の組み合わせは珍しい。最初は少し変わった納まりに見えるが、詳細図を追うことで、棚板とハンガーバーの取付位置を意図的に限定した構成だと分かる。
自由度を抑える代わりに、売場の見え方を整えようとした設計なのだろう。ただし、専用棚板の支持方法や耐荷重については、もう一段検証が必要だったように感じる。
図面は、描かれた形を見るだけでは十分ではない。
「なぜこの位置に穴があるのか」「実際に商品を載せても安定するのか」と考えながら読み解くことで、設計者の狙いだけでなく、納まりの課題も見えてくる。






