質素な空間にガラスと間接照明で”華”を演出する
今回の作図事例は、風変わりなガラスパーティションの事例となります。
空港のラウンジやホテルのロビーなどに設置して、ちょっとしたレストスペースをつくるのに適したガラスパーティションです。
風変わりといいましたが、普通一枚物のガラスのパーティションが多い中、事例は下部に間接照明をつけて、何かをしようと考えた結果だそうです。
が、未だに何のためのスペースか分からずじまいという、ある意味不思議なガラスパーティションだと感じます。
ただ、アイデアをお持ちの方でしたら、きっと活用するんじゃ無いかなって思い、投稿を決めた訳なんです。
思いとしては、インテリア小物などのディスプレイ空間。
また、トップに雑誌や新聞、時には観葉植物などを並べて季節感を演出も可能と考えられます。
ちなみに、実物件での設置位置は以下のようになってました。
それでは、作図解説に入る前に、図面を読み取りましょう。(30分)
■サイズ | ■仕様 |
W1497×D350×H2300 図面参照 | 基本フレーム:t=1.5 SUS.HL仕上げ 天板:木工化粧板仕上げ ※間接照明取り付け |
■備考 | |
難易度:中級編/★★★★☆ |
作図解説とポイント
まず、平面図、平面詳細図、断面図を読み取ってください。(15分)
基本的な構造は、左右の67mm×53mmのステンレス(以下SUS)柱とSUS曲げ加工でステージ組みして、全体を支える仕様にになっています。
そのため、天井面の柱には溶接した上枠を下地金物とボルトで固定しました。
そして、床面のステージには、SUS角パイプ組した土台をアンカーボルトで固定しています。
この結果、強度のあるパーティションとなり、腰部分に空きスペース(ディスプレースペース)があってもさほど問題ありません。
上下にあるのスクリーンはどちらも上げ落とし式(ケンドン式)の取り付けとなっています。しかし、下部の収め方には注意が必要です。
腰の天板とステージ間を支える21mm×21mmのSUS角パイプを繋ぐために40mm×18mmの角パイプとフラットバーを溶接した見切り金物を天板に埋め込む仕口にしています。
これは、支柱の振れ止めと強度を上げるために取り付けてあるのですが、強度的にはあまり強いと言えません。
安全面を考慮するのであれば、オープンになっている側面に側板を取り付けるか、21mm角の角パイプをもっと大きくする方が強度的には良いでしょうね。
ガラスパーティションのメリット
ガラスパーティションは、アクリル板やビニールシートなどと比較して、キズがつきにくいメリットがあります。
経年劣化することもほとんどなく長期間使用できるため、定期的に交換する必要はありませんのでメンテナンスの負荷も少なくてすみます。 頑丈な強化ガラスであれば、耐久性だけでなく耐熱性も優れています。
まとめ
今回の事例は如何でしたか? 私思うに結構汎用性を感じています。W=1500mmですから、ちょっとしたスペースにはマッチすると共に演出を加えればイメージアップに繋がります。
汎用箇所は、待合室、休憩ルームなどでは如何でしょう。是非設計業務に役立ててください。
最後に今回の事例で使用しているガラスは、10mmと12mmの比較的厚みのある材料をしようしています。
しかし、コスパを考えるなら8mm厚でも問題ないかもしれません。
長々とおつきあいありがとうございます。
また、乱文お許しください。
↓ ↓ ↓