意匠を活かしたパーティション

住宅や店舗において、空間を仕切る、と言うか分ける手法は多くあります。代表的なのは視線を完全に遮蔽する間仕切り壁となります。

そのほか透過性のあるガラススクリーン、パーティション、それに格子状の柱などが考えられます。

これらの中から、今回は光を通しつつ、ある程度視線を遮りたい場合に最適なガラスパーティションをご紹介することにしました。ちょっと意匠性はありますが、これについては参考程度として捕まえてください。

物件名:某ホテル_2016.05
■サイズ■仕様
W940×D74×H2600
図面参照
支柱:50×16スチールFB焼付塗装  支柱カバー:PL-1.6焼付塗装
ガラス受け:19×6 SUS HLコの字チャンネル 支柱にビス止め
Gスクリーン:ファブリックガラス (上下小口にシート貼り)
化粧柱:木錬り付けOS+UC仕上げ
■備考
難易度:上級編/★★☆

作図解説

一般的にガラスを用いたパーティションは、半透明のスリガラスやシートを用いることが主流となっていますが、今回ご紹介する作図事例では、ちょっとしたアイディアを盛り込んだガラスを使用しました。

それは、ファブリックガラスと言われるもので、2枚のクリアガラスの間に生地などのファブリック素材を挟んだ意匠ガラスのことです。

ファブリックガラスの大きな特徴は、無機質なガラスに柔らかさを与え、様々な表情を表現することができるようになるという点にあります。

ファブリックガラスイメージ画像:株式会社ハナムラ

このファブリックガラスを取り付けているパーティションの基本フレームには、50mm×16mmの厚いスチールフラットバー(以下FB)を使用しています。(本来は角パイプの方が良かったような!)

しかし、スチールフレームとガラスの組み合わせでだけでは、どうしても冷たいイメージが強くなってしまうので、ガラスの左右には木製の化粧柱を取り付けて、温かみとやわらかさを付加しました。

以下の a,b 部詳細図は平面詳細図と言います。前述の説明の内容が読み取れますので、ゆっくりでいいので、確認してください。

作図ポイント(ポイントは2カ所の納めにあり!)

ポイント1は、化粧柱とFBフレームとガラス受けが絡む部分の固定方法です。

強度的に、FBを化粧柱で分断することを避けるために、化粧柱をFBに通して上下の固定金物(10mm×10mmスチールLアングル)で固定しました。

この固定金物を取り付けた後にガラス受け用のコの字チャンネルをビス固定してあります。上の a,b 部詳細図と左の c,d,e,f 部詳細図を参照下さい。

以下が、ポイントとなる部分のスケッチです。断面詳細図と併せて読み取りましょう。


ポイント2
は、FB支柱の天上面でのジョイント方法です。ここは重要!

親子ドアの相決り加工(あいじゃくり)のような形状にしたFBを合わせて、片側からビス固定します。(g,h,i,j 部詳細図を参照下さい)

その後、カバーををして、天井面の開口孔とジョイン部のビスを隠します。

この方法であれば、高さ調整を天井裏に上らなくて済み、天井面の仕上げを傷付けることも最小限で抑える事が可能です。

後、床部のフレームを固定するためにFBをベースにしていますが、不陸の大きな床の場合は、このベースを木製に替え、現場での調整シロを多く取る事ができます。

以下参考サイトあります!
相決り加工とは!

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