■サイズ■仕様
W200×H200×D162
図面参照
見切り枠:t=5mmスチールクロームメッキ仕上げ
■備考
業態:式場
作図日:2003.11.20
■難易度:上級編/★★★★☆
《WC_000》は、wall-construction(壁面造作)をさします

作図解説

今回の作図事例は、石貼り壁面に設けた小窓まわり、式場などに見られる『のぞき窓』の詳細図です。式の進行などに欠かせない装置とも言えます。

物件としては、銀座にあった結婚式場の設計に参加した時の図面で、ビル上層階の3フロアを使い、結婚式場からレストランまでを併設した規模の大きな店舗でした。

着工寸前まで設計打合せが続き、意匠変更も多かったため、同じ図面を何度も修正した記憶があります。その中でも今回紹介する図面は、石貼りの壁面に小窓を設けた少し特殊な納まりです。

図面を見ると、石貼りの壁面の中にFIXガラスを組み込み、その手前にマジックミラーを合わせたような構成になっています。イメージとしては、二重サッシュに近い考え方で、壁面の中に奥行きを持たせながら、装飾的な小窓をつくっている納まりです。

正面から見ると、石貼りの壁面の中央に小さな開口があり、そこにミラーまたはガラスが入る構成になっています。周囲には見切り材をまわし、石貼りとガラスまわりの納まりを整理しています。

ただし、この事例では小窓まわりの一部を木工で塞ぐ納めになっています。

実際の現場条件や設計意図にもよりますが、こうした壁面内の下地については、一般的には不燃材で構成する方が望ましいと考えます。特に結婚式場やレストランを含む商業施設では、防火区画や内装制限との関係もあるため、仕上げだけでなく下地材にも注意が必要です。

作図ポイント

この図面でまず見ておきたいのは、石貼り壁面と見切り材の関係です。

今回使われている石は、フラットな大理石やタイルではなく、表面に凹凸のある石材です。こうした石貼りの場合、仕上がりの厚みが一定になりにくく、石の出幅も現場で貼ってみないと読みにくい部分があります。

そのため、石貼りと接する見切り材のデプスには余裕を持たせる必要があります。図面上で石の厚みを追い込みすぎると、実際の施工時に石が見切り材から飛び出したり、逆に見切りが深すぎて影が強く出たりします。

このような場合は、石の貼りしろを含めた寸法に対して、3mmから5mm程度の余裕を見ておく方が安全です。特に凹凸のある石材では、カタログ寸法だけで判断せず、サンプル確認や施工会社との打合せが欠かせません。

ぞき窓2
平面詳細図

次に注意したいのが、マジックミラーやガラスの押さえ縁です。

断面図を見ると、ミラーガラスの押さえ縁まわりにビス止めの納まりが描かれています。ただ、このままの寸法で木工側にビスを打つと、パネル側が割れる可能性があります。原因は、押さえ縁の見込みが9mm程度しかない点です。

9mmの見込みに対してビスを打つと、下穴をあけたとしても材料の端部に力が集中しやすく、木工の場合は割れや欠けが出やすくなります。スチールやアルミなどの金物であれば問題になりにくい部分でも、木工ではかなり気を使う必要があります。

この納まりであれば、押さえ縁の見込みをあと5mm程度大きく取る方が良いでしょう。わずかな寸法の違いですが、施工性と仕上がりの安心感は大きく変わります。

また、ガラスやミラーは仕上がってからの交換やメンテナンスも考えておく必要があります。

見た目を優先して押さえ縁を細くしすぎると、施工時だけでなく、後日の取り外しや交換でも苦労することになります。図面上ではきれいに見えても、現場で無理のある納まりは避けたいところです。

ぞき窓3
断面詳細図

所感とまとめ

この図面は、石貼り壁面に小窓を組み込んだ装飾性の高い納まりですが、見た目以上に細かな注意点が多い作図事例です。

特に、凹凸のある石材と見切り材の取り合いは、図面だけで完結しにくい部分です。仕上げ厚、貼りしろ、石の出幅、見切り材のデプスなど、現場で変化しやすい要素をどこまで想定しておくかが重要になります。

また、ミラーやガラスの押さえ縁についても、細く見せたい気持ちはありますが、細すぎるとビス止めやメンテナンスで無理が出ます。特に木工下地の場合は、割れやすさを考えた寸法設定が必要です。

図面を描く時は、仕上がった見た目だけでなく、施工する人がどう取り付けるのか、材料が割れないか、後で交換できるかまで考えておきたいものです。

今回のような小さな窓まわりの詳細図でも、石、ガラス、ミラー、木工、見切り材といった複数の素材が絡んでいます。それぞれの素材の癖を理解しておかないと、図面上では成立していても、現場では納まりにくい図面になってしまいます。

このあたりが、作図の難しさであり、同時に面白いところでもあります。小さな詳細図ほど、寸法の逃げや素材の相性が表に出る。そんなことを再確認できる作図事例だと感じます。

最後に、作図をよくよく見て感じたことは、上記の9mmのことですが、t=5mmのマジックミラーをより前方の位置にすれば問題ないでしょう。何年も経って気づくとはちょっと情けなさを感じました。

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