■サイズ■仕様
1200(800)×400×1430
図面参照
本体:SUS.HL仕上げ
※金物取り付けは全て溶接処理になります
■備考
業態:婦人アパレル
作図:2001.08.05
■難易度:初級者:★★★☆☆/3.0
※2026.06.02

作図解説

この図面でまず重要になるのは、本体フレームの構成を正確に理解して描くことだ。

外周のフレームはφ19mmのSUS HLパイプで、上下に丸パイプがまわり、コーナーはR60で曲げられている。正面図では、幅800mm、または1200mmの展開が想定され、高さは1430mm程度でまとめられている。

婦人服売場の平場什器としては、商品を見せる高さとしても扱いやすい寸法だと感じる。

側面図を見ると、脚元は単純な垂直支柱ではなく、少し開いた構成になっている。商品を掛けたときの荷重を受けるため、下部にはアジャスターも設けられている。

シングルハンガーは、商品を掛けるだけの什器ではあるが、実際の売場ではお客様が商品を手に取ったり戻したりするため、意外と揺れやすい。だからこそ、脚部の開き方、フレームの接合、アジャスターの位置は軽く見てはいけない。

A部・B部の詳細図では、丸パイプと楕円パイプの関係が整理されている。φ19mmの丸パイプが二重に並び、その内側に楕円ハンガーパイプが取り付く構成で、ハンガーパイプ指示金物としてt=5mmのSUS HLフラットバーが使われている。

さらに、t=3mmのSUS HLフラットバーで商品のコボレ止めも設けられている。

このあたりは、図面としてきっちり描いておかないと製作側に伝わりにくい部分である。特に楕円パイプは断面の向きが重要になる。40mm側をどう見せるのか、20mm側をどの方向で納めるのかによって、見え方も強度感も変わる。

今回の図面では、φ40×20mmの楕円パイプとして明記され、断面詳細でも位置関係が表現されているため、製作側にも意図が伝わりやすい。

また、丸パイプのR曲げ部分とハンガーパイプの取り合いも注意したいところだ。

角をRで処理する場合、直線部分の有効寸法、曲げの逃げ、溶接位置、仕上げの磨き方まで考えておく必要がある。

図面上では簡単に見えるが、実際の製作では、曲げ精度が悪いと左右のラインが微妙にずれてしまう。こうしたズレは、シンプルな什器ほど目立つ。

シングルハンガーラックの作図で難しいのは、情報量が少ないように見えて、ごまかしがきかないところにある。

装飾が多い什器なら多少の情報不足を見え方で逃がせることもあるが、こういう什器はパイプ径、曲げR、接合位置、寸法の押さえ方がそのまま完成度に出る。

だからこそ、断面詳細図は必ず必要になる。正面図と側面図だけでは、丸パイプと楕円パイプの前後関係や、フラットバーの取り付け方が読み取りにくい。

今回のようにA部・B部として部分詳細を抜き出しておくことで、製作時の迷いをかなり減らすことができる。

作図ポイント

この図面でまず重要になるのは、本体フレームの構成を正確に理解して描くことだ。

外周のフレームはφ19mmのSUS HLパイプで、上下に丸パイプがまわり、コーナーはR60で曲げられている。

正面図では、幅800mm、または1200mmの展開が想定され、高さは1430mm程度でまとめられている。婦人服売場の平場什器としては、商品を見せる高さとしても扱いやすい寸法だと感じる。

側面図を見ると、脚元は単純な垂直支柱ではなく、少し開いた構成になっている。商品を掛けたときの荷重を受けるため、下部にはアジャスターも設けられている。シングルハンガーは、商品を掛けるだけの什器ではあるが、実際の売場ではお客様が商品を手に取ったり戻したりするため、意外と揺れやすい。だからこそ、脚部の開き方、フレームの接合、アジャスターの位置は軽く見てはいけない。

A部・B部の詳細図では、丸パイプと楕円パイプの関係が整理されている

φ19mmの丸パイプが二重に並び、その内側に楕円ハンガーパイプが取り付く構成で、ハンガーパイプ指示金物としてt=5mmのSUS HLフラットバーが使われている。さらに、t=3mmのSUS HLフラットバーでコボレ止めも設けられている。

このあたりは、図面としてきっちり描いておかないと製作側に伝わりにくい部分である。

特に楕円パイプは断面の向きが重要になる。40mm側をどう見せるのか、20mm側をどの方向で納めるのかによって、見え方も強度感も変わる。今回の図面では、φ40×20mmの楕円パイプとして明記され、断面詳細でも位置関係が表現されているため、製作側にも意図が伝わりやすい。

また、丸パイプのR曲げ部分とハンガーパイプの取り合いも注意したいところだ。角をRで処理する場合、直線部分の有効寸法、曲げの逃げ、溶接位置、仕上げの磨き方まで考えておく必要がある。

図面上では簡単に見えるが、実際の製作では、曲げ精度が悪いと左右のラインが微妙にずれてしまう。こうしたズレは、シンプルな什器ほど目立つ。

シングルハンガーラックの作図で難しいのは、情報量が少ないように見えて、ごまかしがきかないところにある。

装飾が多い什器なら多少の情報不足を見え方で逃がせることもあるが、こういう什器はパイプ径、曲げR、接合位置、寸法の押さえ方がそのまま完成度に出る。

だからこそ、断面詳細図は必ず必要になる。正面図と側面図だけでは、丸パイプと楕円パイプの前後関係や、フラットバーの取り付け方が読み取りにくい。

今回のようにA部・B部として部分詳細を抜き出しておくことで、製作時の迷いをかなり減らすことができる。

所感・まとめ

シングルハンガーラックという什器は、店舗設計をしている者にとって、意外と厄介な存在である。

機能だけを考えれば、商品を掛けるためのパイプが一本あれば成立する。だから、過剰にデザインしても意味がない。コストをかけすぎても、売場側から見ると「そこまで必要か?」となりやすい。かといって、あまりにも既製品的にまとめると、ショップの空気感が一気に弱くなる。

私自身、デザイナーの頃には、シングルハンガーだけでなく、T字ハンガー、斜めハンガー、両面ハンガーなど、かなり多くのハンガー什器を考えてきた。だが、最終的に行き着くのは、やはり「シンプルさ」だったように思う。

ハンガー什器は、あくまでも商品を引き立てる脇役である。主役は服であり、什器が前に出すぎると売場としては少し違う。ただし、脇役だから何でもよいというわけではない。むしろ、脇役だからこそ、線の太さ、素材の質感、ディテールの納まりが大事になる。

この事例では、φ19mmの丸パイプによる軽いフレーム感と、楕円パイプによる少し上質な見え方がうまく組み合わされている。形としては控えめだが、細部にはきちんと考えが入っている。こういう什器は、売場に置いたときに邪魔をしない。それでいて、安っぽくも見えない。

銀座の百貨店という環境では、この「邪魔をしない上質感」が重要だったと思う。派手に主張する什器ではなく、商品を掛けたときに自然に売場の格を支える什器。そう考えると、このシングルハンガーラックは、よく考えられた事例だと感じる。

見た目は何気ないハンガーラックでも、図面の中には素材、構造、製作、売場での見え方が詰まっている。シングルハンガーひとつ取っても、やはり図面屋として学ぶところは多い

あくまでイメージです
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